フィンランドのユバスキュラ大学 留学日記

 
もい、桶本です。

佐賀大学の芸術地域デザイン学部に所属していて、20231月頭〜5月末までフィンランドのユバスキュラ大学に留学しています。

事前準備

語学)

申請時にTOEFLの語学条件に3点くらい届かず、フィンランドに渡航した後、現地でも結構勉強をしました。たくさんの方に迷惑をかけているという責任、関係者の方からいただく厳しいお言葉、何より自分自身が感じる英語力の不足。留学に行きたい人は英語の勉強をしっかりしておきましょう。

手続き)

留学の手続きは早め早めに始めるといいでしょう。在日フィンランド大使館は今のところ東京にしかないので、フィンランドより前に東京旅行をする必要があります。訪問後、入国許可証が渡されるのは3週間も後だったりします。僕の場合、大学の留学準備説明会を待っていては到底、出国には間に合いませんでした。飛行機のチケットも数ヶ月の間でどんどん高騰していきます。出国の5ヶ月前には余裕を持って準備を始めるべきです。

 

奨学金)

「公益財団法人 業務スーパージャパンドリーム財団」という奨学金の審査に合格することができ、月に15万円の支援をいただけたので資金面での負担を減らすことができました。

 

持っていくもの)

僕が持っていってよかったと感じたのは、日本食と空手の道着です。米と乾麺、日本のお菓子は、自分の舌に日本食を思い出させる用にはもちろん、外国人の友達をもてなす用にも大活躍しました。また、あなたに何か特技があるならその道具を持っていくといいでしょう。僕は道着を持っていったおかげで、大学で空手の体験教室を開いたり、地元の少林寺拳法の教室にお邪魔したりすることができました。

 
おにぎりパーティー 

ラーメンパーティ
空手ワークショップ
 
 

少林寺拳法の教室


授業

 

僕はLanguage and Communicationという学部に所属しました。異文化コミュニケーションに関する授業や芸術に関する授業を履修しました。

10枚ほどのレポートを3つの授業で書きました。慣れない英語で毎日せっせと書きました。グループプレゼンテーションも3度しました。それでも単位互換(留学先の単位を本拠地の大学で有効にしてもらうこと)には、厳しい審査があるので努力が単位として報われるとは限りません。自分の糧にはなりますが。

 

また、「Each One Teach One」という、生徒が一対一で互いの母国語を教え合うプログラムを通して知り合った中国人の子に、毎週木曜日に日本語を教えていました。日本語を教える経験は初めてでしたが、我ながら教えるセンスがあると思いました。日本語教師もありだなと思いました。生徒ちゃんの熱心な姿勢もあり、毎週の授業はいつも三時間を超えました。

グループワークのメンバー

日本語授業

 

生活

 

大学)

大学は街の中心部に近く、木々や湖にも囲まれています。アルバ・アアルトがデザインした建物もあり、立派な施設が立ち並びます。賑わいのある大学で、学生が勉強するにも遊ぶにも最高の環境です。

 

図書館

大学の建物    

食事)

学食はビュッフェ式で、学生証を見せれば400円。山盛り食べられます。料理の質は不安定。チキンやピザ、フィンランド名物サーモンスープの日はアタリ、茹ですぎパスタの日はハズレ、無味肉なし野菜炒めの日は大ハズレ。外食するとかなりお金がかかるので滅多にしません。ただ、寿司レストランはぜひ行くといいです。12ユーロくらいで寿司、揚げ物、アイスクリームなど食べ放題。バナナやキウイを使った特殊寿司も食べられます。

学食

寿司レストラン

気候)

初めてフィンランドの外気に触れた時のことを今でも鮮明に覚えています。「寒い」とかじゃなくて、「頭が痛い」と感じました。帽子は必須です。また、高緯度にあるフィンランドは日照時間も特徴的です。1月頃は、正午に夜が明けるような感覚。ずっと曇りのせいで、最初の2ヶ月で太陽を拝んだのは3回程度。当たり前のようにいてくれた太陽のありがたさを感じました。

 

クラブ活動)

友達の中国人の双子ちゃんが創設したアートクラブに通いました。画材も揃ってて、お菓子も食べれて、日本語上手なかわいい双子ちゃんにも会えるのでオススメです。

 

寮)

Jyväskylä大学の留学生が選べる寮は2つあって、僕はSoihtuという寮を選びました。無料で毎日サウナ使い放題。フィンランド人たちはサウナに酒を持ち込み、血流をぐるんぐるん回したあと、雪の上に全裸で寝転びます。健康にいいのか悪いのかよくわかりません。

僕はルームシェアを選択し、アメリカ、イギリス、ガーナのルームメイトを持ちました。彼らの英語は特に難しくて、フィンランド初めての夜、4時間以上話し込んだ時、会話の8割以上理解できませんでした。あれが僕の留学中、最初で最後の挫折でした。しかし、ルームシェアはおすすめです。家賃も安く済むし、心強い仲間ができます。

寮の夕暮れ時

人間関係)

留学先で、素敵な友人がたくさんできました。言語において大きなハンデがあった僕は、最初の2ヶ月くらいはとにかく全ての誘いに「yes」と答え、いろんなところに顔を出しました。ヨーロッパ人と大きく括るのは間違えているとは思いますが、彼らはとにかくフレンドリーで素直で心が豊かです。子供のように全ての物事にぶつかっていくので、日本では久しくしていなかったガチな対話や喧嘩もしました。たった数ヶ月でこれほどまでに愛おしい友人たちができるとは思っていませんでした。

 

みんなでピクニック

ヘルシンキ旅先での出会い

日本人の友人たち

みんなでランチ

放課後や休日)

授業の課題が多かったので、放課後、友達と図書館で過ごすことが多かったです。地下2階、地上3階建ての広々空間。勉強やミーティングするための十分な場所が準備されています。

毎週水曜日の夜はクラブに行きました。飲酒しながら大声で歌い、踊る、最初はその異様な空間に笑いが止まりませんでした。周りを気にすることなく、無邪気に踊り狂う留学生たちの姿に感化され、僕は日本代表として阿波踊りや工藤静香を披露しました。

喧騒のクラブナイトと打って変わって、静かで壮大な自然もフィンランドの魅力です。凍った湖の上でスケートをしたり、雪化粧の森をハイキングしたり。いいですね。


旅行

 

留学の一つの楽しみに旅行がありますね。特にヨーロッパ圏内にいるなら、絶好のチャンス。イタリア、フランス、オランダ、ベルギーに行きました。誰もが知る観光名所に美しい街並み、楽しかった思い出はいくらでもありますが、ここでは楽しくなかった思い出を書きます。あなたたちに警告するためです。気をつけてください。治安が良くないです。僕たちはスリに遭いました。夜、男の集団が絡んできたと思えば、どさくさに紛れて友人のポケットからスマホを奪っていったのです。運よく僕がそのことに気づき、奴らを引き留めました。散々交渉した末、僕は金を支払うことを提案し、100ユーロでスマホが戻ってきました。そのほかにも多くの罠が潜んでいます。気を強く持たないとやっていけません。それでも、旅行には行くべきです。楽しいので。

 

フィンランド国内では、首都ヘルシンキで3日間、北部のラップランドで1週間旅行しました。ヘルシンキでは屋外サウナと氷点下での水泳をしました。ラップランドはサンタが住むところ。4000円で本物のサンタに会えます。サンタの小銭稼ぎです。サンタクロース村からさらに北上し、雄大な自然の中、北極海に飛び込みました。一瞬すべての感覚が麻痺し、その後痛みとも呼べる冷たさが身体の各所を襲います。学生用の1週間団体ツアーがあるので、ぜひ行ってみてください。

ラップランド

サンタクロース村

ヘルシンキ大聖堂 

寒中水泳&サウナ

こんな日記を書かされるとすごく寂しくなってきました。あと1ヶ月もなく帰らなくてはいけないなんて。出会いがあれば別れがある。人の数だけ人生がある。明日は明日の風が吹く。取らぬ狸の皮算用。

帰ったらラーメンを食べたいです。

 

最後に、両親、親族、大学の関係者のみなさん、奨学金や渡航費でご支援いただいた方々、ご迷惑をかけることがたくさんありましたが、本当にありがとうございました。この経験は僕にとって本当に大切なものです。帰国後は留学で得たことを惜しみなく発揮します。

ありがとうございます。

 

もいもい

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