My Sri Lanka Life






 アーユボーワン!(シンハラ語でこんにちは)
現在スリランカのペラデニヤ大学に留学中の、農学部4年の山田侑果です。私は1年の留学期間で、こちらに来て2ヵ月が経ちました。これから、留学のきっかけやこちらでの生活について話したいと思います。

<留学のきっかけ>

 私は大学に入った時から留学や国際交流に興味があり、2年生の時にSUSAP、3年生の時にアジアフィールドワークに参加しました。3年の夏休みが過ぎた頃、就職先を考えていて、海外と関わる仕事を探していましたが、私にはまだ学生としてできることがあるのではないかと考えるようになりました。そこで、どんな方法があるかと探していたところ、交換留学の追加募集を思い出し、国際課に相談したところ、ペラデニヤ大学が私の学びたいことにあっているとアドバイスをいただき、この大学を選ぶことになりました。それまでは、スリランカという国の名前しか知りませんでした。ですが、色々な面で知れば知るほど魅力的な国で、早く行きたくてワクワクしていました。さらに、スリランカでは専門的な授業をとるだけでなく、卒論調査を行うことに決めました。

<スリランカってこんな国>

 スリランカについて知らない人が多いと思うので少し紹介します。南アジアに位置し、インドの下にある雫のような形をした北海道と九州の間くらいの大きさの島国です。宗教は7割が仏教です。シンハラ語とタミル語が現地語で、7:3ぐらいの割合です。友達は日常ではシンハラ語を話すので、私も少しずつ勉強しています。英語が話せる人も多いです。また、2009年までは内戦が行われていました。気候は1年中夏で、雨の量が変わるか変わらないかくらいの変化です。紅茶が有名で、セイロンティーとして世界的に知られています。また、小学校から大学までは無償です。


大学の様子①

大学の様子②

大学の様子③

<ペラデニヤ大学>

 ペラデニヤ大学は、スリランカの古都キャンディにある最古の国立大学です。イギリス人によって作られたので、建物はおしゃれな雰囲気かつ自然にあふれていて、大学とは思えないほどに美しいです。世界の美しい大学ベスト10に選ばれたことがあるそうです。また、大学はとても広く、移動はバスかバイクです。そして、毎日猿の大群が大学内に出没します。留学生の数は少なく、現在日本人は私を含めて2人です。また、僧侶も多くみられ、様々な国から仏教を学びに来ているそうです。


クラスメート

村での活動の様子

インターナショナルコンファレンスにて

<授業>

 私はこちらの大学で、農学部のAgricultural Extensionというコースの4年生の授業を履修しています。授業はすべて英語で行われます。前学期はSocial Research Methods, Rural Sociology, Gender Issues in Development, Journalism and Media Use, Productivity Enhancement Trainingの5科目と英語の授業で、水曜日以外は8時から5時まで授業があります。グループでパワーポイントを作ってプレゼンテーションをしたり、映画を見てディスカッションするなど、実践的なものが多いです。また、二つの授業は、ほとんど講義がなく、すべて生徒と先生で話し合いながら進めていくというもので、自分たちで作り上げていくといった感じです。村に行って現地住民にインタビューし、問題を分析して解決策を考えたり、実際にスリランカの組織が村で行っている活動を見学したりするなど、日本ではできない貴重な経験をしています。そういった場所に行くと、現地語しか通じないので、友達や先生にいつも説明してもらっています。
 後学期は調査をするつもりで、今はそのために調査の仕方を授業で学んだり、具体的なテーマを絞るなどしています。授業では、スリランカの置かれている現状や歴史、これからどうしていけばいいかなど、スリランカ人の視点から語られるので私も新たな視点を持つことができます。
 最初はついていけるか心配で、興味があるのに理解できず意見を言えない自分が情けなく、悔しい思いをしましたが、先生や友達に分からないことはたくさん聞いて、できる限りの努力をしてできるだけ多くのことを吸収しようという思いで頑張っています。授業の予習復習、課題やプレゼンの準備など、毎日忙しく、日本にいる時とは比べ物にならないくらい勉強しています。これ以上ないくらいに自分をステップアップさせてくれる環境だと思います。

カレー

トーセというインドから来た食べ物

寮で料理する友達

<日常生活>

 こちらでは毎日半袖ですが、キャンディはそこまで暑くなく、朝や夜は寒いと感じることがあります。私は大学内にある寮に住んでいます。基本的に現地の学生は3人1部屋ですが、私は1人で使っています。シャワーとトイレ、手洗い場は共同です。お湯はなく、水シャワーですがすぐに慣れました。洗濯も手洗いです。寮の中には犬がいて、いつも吠えていてうるさいです。そして、猿も食べ物を求めてやってきます。私はベランダ側のドアを開けたままにしていて、2回猿が入ってきて、パンと日本から持参した梅干を盗られました。夜になるとイノシシもやってきます。驚くことがたくさんありますが、これも貴重な経験として楽しんでいます。  寮には食堂があり、朝と夜は大体そこを利用します。5時過ぎ頃から混み合い、いつも長い列に並ばなければなりません。スリランカでは基本的に3食カレーですが、インドから伝わった食べ物などカレー以外にもメニューがあるので今のところ飽きてはいません。カレーといっても日本のとは違って、何種類かのカレーを少しずつ取って、ライスと混ぜて手で食べます。最近は慣れて、上手に食べられるようになりました。寮の食堂はどれも一食30円くらいです。土日になると友達が家から持ってきたご飯やフルーツなどを一緒に食べたりします。休みの日は町に行って買い物をしたり、友達がよくお寺に行くので、ついて行ったりしています。お寺では、みんな熱心にお祈りをしています。スリランカでは、子供の時にお寺に仏教のことを学びに行くそうです。
 また、スリランカのあらゆる所から学生が集まってきていて、友達の家に行くことも楽しみの一つです。そして、現在私と佐賀大学に留学していたスリランカ人の学生で、大学内で日本の文化を伝えるサークルを作ろうと計画しています。一からやることは大変ですが、日本とスリランカのかけ橋になればと思います。

像の孤児園

お寺でキャンドルを灯す人々
 

<最後に>

 ここに来て、2ヵ月以上が経ちました。最初の1ヵ月はストライキで授業が始まらず、もどかしい日々を過ごしました。授業が始まると、はじめは自分の英語力の低さと、興味があるのに十分に理解できないことが悔しく、ついていけるか不安でした。ですが、悩んでいてもしょうがないので、自分にできる精一杯のことをして、毎日楽しく後悔のないように生きようと決めました。今まで経験したことのない環境に置かれたことで、自分を見つめ直すいい機会になっています。また、一人で抱え込まずに、友達や先生、家族に話すことも大事だと実感しています。1年とは長いようで、あっという間に過ぎていくものだと最近感じます。なので、貴重な時間を無駄にしないように、ここでしかできないことをたくさん経験したいと思います。
 これから留学を考えている人、今留学している人、どんな人がこれを読んでいるかわかりませんが、自分と向き合って、1日1日を大切に生きてほしいです。


コメント