フィンランド ユバスキュラ大学

みなさん、こんにちは。佐賀大学地域デザイン研究科1年の田中友梨香です。

私は現在、フィンランドのユバスキュラ大学に留学しています。留学期間は2022年8月から2022年12月までの予定で、留学開始から2か月ほど経過しました。これから私の留学生活の様子を紹介します。

 

【留学のきっかけ】

私は大学入学前から海外への興味があり、大学12年生の時、短期留学や国際交流実習に参加しました。また佐賀大学で毎年行われている交換留学体験報告会での先輩たちの姿をみて、留学に対して強い憧れを持つようになったことが交換留学に行こうと思ったきっかけです。

留学先をフィンランドにした理由は、私が学びたいと思っていた環境経済学やサステイナビリティ、企業の社会的責任についての授業があることと私の研究分野であるサーキュラーエコノミー(循環経済)に関して日本よりも進んでいるため、その研究を現地で行いたいと思ったからです。

コロナの影響で留学は何度も延期や中止になり、とても悔しい思いをしましたが、今回ようやく渡航することができました。

 

【留学前の準備】

1. 語学

 ユバスキュラ大学に交換留学をしたい場合は、TOEFL-ITP 520点以上*が必要です。私は、アカデミックエクスプレスや大学の図書館にある対策本を利用して、勉強しました。点数を上げるためにはある程度の時間と勉強が必要なので、早めに対策することをお勧めします。

*(8月~9)出発の場合

 

2. 奨学金

 留学にはお金がかかるため、その心配もあると思います。私は、JASSO、佐賀大学校友会、スカンジナビア・ニッポンササカワ財団から奨学金をいただいています。JASSOと佐賀大学校友会の奨学金は事前の準備は特に必要ありませんでした。スカンジナビア・ニッポンササカワ財団は、留学の半年から1年前までには申請する必要がありました。留学のための奨学金はたくさんあるのでぜひ調べてみてください。

 

3. ビザ

 フィンランドに留学する場合、「学生在留許可」が必要になります。まずオンラインで申請し登録が完了したら、本人確認のために東京の大使館に行きました。申請から取得までに12か月ほどかかるため、必要な書類がそろったら、すぐに申請を始めることをお勧めします。

 

【ユバスキュラでの生活(気候、物価、言葉、住居など)】

ユバスキュラは、ヘルシンキから電車で3時間半ほどの場所にあります。とても自然豊かな、小さな町です。最初に着いたときは8月だったので天気も良く、朝5時ごろには日が昇り、22時ごろに日が沈んでいました。最近はどんどん寒さも厳しくなり、日が短くなってきています。

 

キャンパス近くの湖 (8月頃)

 

フィンランドは日本よりも物価が高いです。インフレの影響で、さらに値段が上がっていて、節約生活が欠かせません。外食をする場合、1回で2,000円から3,000円ほどかかるので、自炊をするか、大学の学食を利用しています。学食は1450円ほどで安いです。また大学やシティセンターに行くためにバスを利用していますが、学生は1回の利用の場合は約400円、1か月の定期券を買う場合は約5,000円かかります。衣類も高いので、セカンドハンドの店を利用しています。有料ですが、Student unionに加入すると、学生割引が使えるので、加入しておいた方がいいと思います。

 

街中の標識やスーパー・ショップなどでは基本的にすべてフィンランド語で書かれています。しかしほとんどのフィンランド人は英語を話すことができるので、わからないことがあれば英語で教えてくれます。

 

寮は、KOAS Myllyjärviという場所に住んでいます。寮から大学まではバスで10分、シティセンターまでは15分ほどかかります。自転車や電動キックボードで移動している人も多いです。寮の部屋は2人部屋で日本人とルームシェアしています。それぞれ個人の部屋があり、キッチンとバスルームはシェアです。家賃は45,000円ほどで、光熱費、インターネット代は含まれています。

 

【大学生活】

Agoraキャンパス

 

1.授業

ユバスキュラ大学は、1学期がピリオド18月下旬から10月中旬)とピリオド210月下旬から12月中旬)に分かれており、現在はちょうどピリオド1が終わろうとしています。時間割は佐賀大学とは大きく異なり、週に23回ある授業や週に5回授業があり3週間ほどで終了する場合もありました。

私は、ピリオド1では「Academic English Communication」「Introduction to Responsible Business」「Sustainability transition and business」の授業を受けました。ピリオド2では授業を受けながら、主に自分の研究を進めていく予定です。

 

(授業の説明)

・「Academic English Communication」は、30人くらいの少人数クラスで、さまざまなトピックに関してのディスカッションやエッセイ課題、プレゼンテーションなどがありました。この授業は主に交換留学生のための授業なので、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、韓国、日本などの留学生がいました。

・「Introduction to responsible business」は、専門科目で、企業の持続可能性やCSRについて、また環境問題や社会問題に対する企業の取り組みを学びました。この授業はオンラインで行われました。

・「Sustainability transition and business」は、サステイナビリティについての様々な分野の専門家の方や企業の方からの講義を受けることができました。そのほかにグループワークとエッセイ課題がありました。

 

フィンランドの大学の授業は日本と比べてアウトプットと個人の意見を重視していると感じました。授業の中では毎回ディスカッションがあり、みんな積極的に発言します。またテストはなく、授業の最後にプレゼンテーションやエッセイが課されます。私は英語に関してはとても苦労しています。おそらく授業では半分くらいしか理解できていないため、授業中のディスカッションについていくのに必死です。またエッセイ課題やプレゼンテーションも同じように苦労しています。

またフィンランドの大学院の学生は、大学卒業後に企業で働いた経験があったり、働きながら勉強をしていたりと、様々な状況の学生がおり、年齢層も比較的広いです。日本の場合は大学卒業後すぐに大学院に入学する場合が多いと思うので、その違いに驚きました。授業でフィンランドの教育制度について少し勉強した際に、フィンランドでは教育へのアクセスの平等と高い質の教育、生涯学習というのが大切にされていることを学びました。そのためフィンランドでは小学校から大学院まで学費は無料で、学びたいときに学べる環境が整っています。

 

2.大学内での活動

大学内ではJYJY(ユバスキュラ大学日本友達サークル)に参加しており、毎週水曜日にフィンランド人と日本人が集まって、お互いの国の文化や趣味などについて話しています。最近は11月に行われる、日フィンイベントの打ち合わせもしています。

また、私はuMoveというものに加入して、毎週ヨガやピラティスなどをしています。運動することで気分転換ができています。

 

3.休日

休日はユバスキュラ内で開催されているイベントに参加したり、友人とヘルシンキやタンペレに観光へ行きました。一方で週末は課題に追われてほとんど勉強していることもあります。

 

ベイキングイベントでシナモンロール作り

Jyväskylä Pride Parade  


ヘルシンキ大聖堂

 

【最後に】

ここまで留学日記を読んでくださりありがとうございました。留学開始から約2か月が経過しましたが、この2か月はとてもあっという間でした。留学中は楽しいことだけでなく、大変なことやうまくいかないこともたくさんあります。そんな時は自分自身を成長させるための試練だと思って頑張っていこうと思います。残りの3か月はより時間を有意義に使えるように目的をもって行動していきます。

留学に興味のある学生のみなさんは、ぜひ短期留学や交換留学などに挑戦してほしいと思います。視野が広がり、とても良い経験が得られると思います。

最後になりましたが、留学をサポートしてくださった国際課の方や先生方、応援してくれた家族や友達、その他関わってくださったすべての方に心から感謝しています。ありがとうございました。

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