ドイツ ドレスデン工科大学

 みなさん、こんにちは。佐賀大学理工学研究科2年の田中雄大です。

 

私は現在、ドイツのドレスデン工科大学に留学しています。留学期間は20229月から20231月までの予定で、留学開始から3か月ほど経過しました。私の留学生活の様子を紹介します。

 

【留学のきっかけ】

中学生の頃にイギリスに語学留学に行ったことをきっかけに、佐賀大学入学当初から、留学を目指していました。学部時代に留学すると留年するため、大学院進学後の留学を目指しました。大学2年生の時、リトアニアとフィンランドに短期留学しました。その際、ヨーロッパの科学に触れることに加え、日本とリトアニアは資源が少ない一方、技術力があると再認識するという経験をしました。この時、世界を股にかけて、日本に資源を供給する科学者になりたいと考えました。そのため、留学への気持ちが非常に強くなり、留学を決心しました。留学先をドイツにした理由は、私の研究がドレスデン工科大学での研究に関わっていることと、佐賀大学ではできない実験ができるためです。

コロナの影響で、修士二年生で留学することになったのですが、就活も早期選考で内定を得るなどの準備をして、今回ようやく渡航することができました。

  

【留学前の準備】

1. 語学 

 ドレスデン工科大学への交換留学は私の担当教員の大渡啓介教授による推薦ですので、絶対に資格を取る必要はないのですが(*注)、B2レベルが目安だと思います(TOEFL-ITP 543点以上)。私は持っていないのですが、一番大切なことは、ドレスデン工科大学の研究室にいる先生やPhDの学生と化学の専門用語を用いてディスカッションができることだと思います。日本にいる間に、資格のために英語の勉強もしましたが、それに加えて、留学生と研究について英語でディスカッションをすることや論文を読むなどして使える英語を身に着けました。ただ、化学の知識がそれ以上に必要だと思いますし、ドレスデンは英語が伝わらないことが多いので、ドイツ語も勉強した方が良いかもしれません。

*注)推薦がある場合でも佐賀大学からの協定校への派遣には、最低でもTOEFL ITP480相当の英語力が必要です。

2. 奨学金

 私は、JASSO、佐賀大学校友会から奨学金をいただいています。JASSOと佐賀大学校友会の奨学金は20221月から申し込みが始まりました。書類審査や面接審査がありました。留学のための奨学金はたくさんありますが、期間が決まっているので、期間に気を付けて、申し込んでみてください。 

3. ビザ

 ドイツは観光ビザで3か月間のみ滞在できるので、ドイツに着いた後に、できるだけ早く滞在許可証を発行する必要があります。ドイツでしか手に入らない書類(住民登録証明書など)もあるので、まずその書類を準備して、滞在許可書を発行してください。ドイツでは役所に行く前に予約を必ず取る必要があるので、書類をしっかり揃えて役所を訪れてください。住民登録の予約は日本にいる間でもできるので、日本ですることをお勧めします(ウクライナ難民の影響もあり、最長3か月かかります)。

  

【ドレスデンでの生活(気候、物価、言葉、住居など)】

ドレスデンは、フランクフルト空港からICEを用いて5時間半の場所にあります。歴史的建造物が多く、美術や音楽など芸術も栄えている文化的な街です。クリスマスマーケットの起源の街はドレスデンで、クリスマスマーケットも非常にきれいです。秋になると緯度が高いこともあり、最近はどんどん寒さも厳しくなり、4時には既に真っ暗です。

ツウィンガー宮殿

ドレスデンの街並み

ショッピングストリート 

エルベ川とドレスデンの建造物

 

ドレスデンでのクリスマスマーケットの様子(11月ー12月)

ドレスデンでのクリスマスマーケットの様子(11月-12月)

ドレスデンはドイツの中では物価は安いですが、日本よりも多少物価が高いです。また、円安の影響で、さらに値段が上がっていて、節約生活が必要不可欠です。外食をする場合、1回で2,000円から3,000円ほどかかるため、自炊をするか、大学の学食を利用しています。学食は1500円ほどです。交通機関に関しては学生証を持っていることで、基本的にゼクセン州内の乗り物は高速料金を除き無料になります。博物館やオペラなども学生割引されます。

住居は月200€以内の寮に住んでいました。この価格はドレスデンの中でも非常に安いです。ただ、戦争の影響で電気代が高くなり、今は家賃が220€程です。部屋は多少狭いですが、気にならない狭さです。家具付きの一人部屋で、キッチンとバスルームは共有です。寮に住んでいる学生と友達になると、楽しく生活できるので、私は共有スペースがある寮に住めて良かったと思っています。不満があるとすれば、夜中に騒ぐ人がいる点です。ただ、何か不満があれば、溜め込むことなくグループのWhatsAppで伝えればよいと思います。大分静かになりました。

寮の申し込みですが、Studenten werkという学生課のような部署が学生寮を提供しており、オンライン申請を行い、寮に入ることができます。International Guest Houseという留学生向けの寮もありますが、原則3か月以内の滞在であったため、正規の学生寮に申し込んだ方が良いです。早めに申し込まないと、すぐ空きが無くなると思います。

次に言語に関してですが、街中のほとんどがドイツ語です。レストランで働く人を除いて、ほとんどの現地の人達が英語を話せません。スーパーマーケットでも基本的にドイツ語です。生きるために頑張ってください。

 

【大学生活】

1.授業

ドレスデン工科大学は、後期学期が10月から始まり、2月末に終わります。授業の時間帯は朝の7時半から夜の8時くらいまであるそうです。私は研究留学で来ているので、授業は一切取っていないです。滞在しているWeigand教授の研究室は、全員博士課程(PhD)の学生が在籍しており、ドイツ人、中国人、アメリカ人、ベトナム人の学生が在籍しています。コアタイムは9:0017:00です。研究室でのルールは非常に厳しく順守する風習があります。学生は皆、英語を流暢に話していて、毎週水曜日の早朝から行われるグループセミナーでは英語が使われています。直接実験の指導をしてくださった先生も話す英語が速く、意思疎通がうまくいかないときがあります。ただ、スラング等を話すような方で非常に距離感の近い先生です。専門用語を聞き取ることと、それを聞いたうえで、自分の意見を学術的に論理立てて説明する力が求められます。研究室の設備は非常に整っており、特殊な条件下での実験も行いやすいと感じました。様々な分析装置が導入されており、合成から結果分析まですぐにできる環境が整っています。

  

研究室メンバーとのランチ

研究の様子

2.大学内での活動

大学内では特に活動していませんが、週一日、学部時代に行っていた合唱を合唱グループに所属して行っています。合唱しながら、気分転換しつつドイツ語を覚えられるので一石二鳥だと感じています。

 

3.休日

休日は現地でできた友達と観光やパーティーを楽しんでいます。一方で、予定が無い日は土日も研究室に行って研究をしたり、資料をまとめたりしています。

ボールダンスの様子

  
ボールダンスの様子
 

少ない日本人で企画した寿司パーティー

【最後に】

留学日記を読んでいただきありがとうございました。留学開始から約3か月が経過しましたが、この3か月は非常に濃い時間でした。留学中は楽しいことだけでなく、大変なこともたくさんあります。ですが、それは自分を成長させる試練です。頑張ってください。また、日本とドイツの当たり前は違うので、小さいことは気にせず、郷に入っては郷に従え精神で頑張ったら良いと思います。残りの2か月も学業、文化体験含め、何事にも精一杯取り組みます。

 

この記事を読んでいる皆さんは留学に興味がある人達だと思います。興味を持てることは才能です。ぜひ挑戦してください。やらないで後悔するより、やって後悔した方が断然価値があると思います。

最後になりましたが、留学をサポートしてくださった国際交流推進センターの方や先生方、応援してくれた家族や友達、その他関わってくださったすべての方に心から感謝しています。ありがとうございました。

 

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