スペイン アルメリア大学

スペインのアルメリア大学へ留学をしている、農学研究科修士1年の山香美優です。期間は2023年の912日~1218日の約3か月間を予定しており、現在約3週間が経過したところです。まだ3週間しか経っていないので私自身も慣れていないこと、分からないこともありますが、今の新鮮な気持ちを皆さんに共有できたらと思います。また、留学に行きたいけど一歩踏み出せない人、休学せずに卒業できるか不安な人もいると思います。私の留学形態が少し特殊なので、「こんな留学もできるんだ!私でも行けるかも!」と参考にしていただけたら幸いです。

 

1.       留学のきっかけ

私は幼い頃から英会話教室に通っており、英語が好きでした。また、見たことがない世界を見ることも好きで、中学生のころには、大学生になったら留学したい!と思っていました。

大学1年生時には国際交流イベントやImmersion programSUSAPなどに参加しました。これらの活動がとても楽しく、多くのことを学べたので、大学23年生で交換留学へ行きたいなと考えていました。しかし、大学2年次からコロナウイルスが流行し、留学をすることが不可能になりました。そのままもう留学はしないだろうなと思っていたところ、大学4年生の冬に研究室の先生から修士1年での研究留学の提案を頂き、交換留学に応募しました。

 

2.       どこが特殊なの?

冒頭で私の留学形態は少し特殊と説明しました。特殊な部分は主に2つあります。1つ目は留学期間です。留学期間が3か月というのは、交換留学にしては短いと思います。これは8月末に日本で行われた国際学会に参加する予定であったこと、就活が控えているために年明けまでに帰国したかったことから9月~12月という期間で設定しました。

2つ目は授業についてです。私はアルメリア大学では一切授業をとっておらず、研究活動のみ行っています。先ほど説明した理由で、滞在期間が1セミスターに満たなかったので、アルメリア大学で授業を受けて単位を取得することが出来ませんでした。なので、修士1年の前期(出発する前)になるべく多くの授業を取って、単位を取得しました。留学期間中である後期はオンデマンドで受けられる佐賀大学の授業をとって、空いている時間に受けています。後期で対面でしかない授業も1単位だけあるのですが、修士2年で取る予定です。

このように交換留学では思ったより柔軟に留学計画を立てることができます(*)。留学行きたいけどスケジュールが不安という方は1度国際交流推進センターの方などに相談をしてみるといいかもしれません。

*大学院生の研究留学であるため。

 

3.       留学準備

     奨学金

私はまずトビタテ留学JAPANに応募し、1次の書類選考には通過したのですが面接で落ちてしまいました。

しかし、JASSOの奨学金(月額8万円)と校友会からの渡航支援金(10万円)を頂くことができ、とても助かっています。ただし、これらの奨学金だけではまかなえない(ほぼ家賃で消える)ので、ある程度のお金の準備は必要だと思います。私はもともと別の貸与型の奨学金を借りているので、足りない分はそれでまかなっています。

 

 

     研究室探し

私がアルメリア大学で所属している研究室は、佐賀大学で所属している研究室と繋がりがあるというわけではありません。なので、アルメリア大学へ自分の興味と研究分野についてのメールを送り、それに近い分野の研究室の教授を紹介してもらいました。そこから教授とコンタクトを取り、研究室への受け入れ許可を頂くことが出来ました。

 

 

     ビザ

スペインでは90日を超える滞在の場合にはビザが必要になります。スペインのビザは東京まで行かなければならず、中には航空券や入学許可書などすぐには準備できないものもあります。そして、ビザを申請して受け取るまでネットなどでは4週間と書いてあったのですが、私の時期は8週間かかりました。準備の中で一番大変でした。

 

     滞在先

私は大学の寮に住んでいます。1人部屋でシャワーとトイレが付いて月に480€です。洗濯機は共用で1回につき3.5(洗濯+乾燥)かかります。設備はきれいで、1週間に1回部屋を掃除してくれます。しかし、先輩の留学日記にもあったようにキッチンと冷蔵庫がありません。冷蔵庫は月に20€で借りることが出来るのですが、私が到着した時には無くなっており、借りることが出来ませんでした。パンやレトルト食品、パスタ、果物を食べながらときには外食をして毎日過ごしています。

 

     語学

英語の勉強は大学1年生のときから少しずつしていたのでそれをそのまま続けました。しかし、スペインの公用語はスペイン語です。少しだけスペイン語を勉強していったのですが、全く歯が立ちません。アルメリアでは大学以外では英語がほとんど通じず、買い物や外食時の注文などで困ることが多々あります。アルメリアの人は気さくで、寮や街中で話しかけられることがあるのですが、スペインが全く分からないので会話ができません。それらが悔しく、もっとスペイン語を勉強してから来れば良かったと後悔しています。

 

4.       学校生活

私の1日の流れを紹介します。

 

9:009:30:研究室到着

9:3011:30:実験

11:3012:00:休憩(軽食タイム)

12:0014:00:実験

14:0015:00:休憩(昼ごはん)

15:0017:30:実験or 勉強

17:30~:帰宅

 

月~木はこんな感じです。金曜日は私が所属している研究室ではみんな14時で帰宅するので、私もそれに合わせて帰宅しています。現在はPh.D.の方の研究を手伝いながら実験のプロコトルを教えてもらっています。たまに温室へ行って外作業もしています。

 

大学構内
 

実験室 

5.  食事

 パエリア、アヒージョ、生ハムなどスペインの食はとてもおいしいです。しかし、味が濃いめなので日本の出汁の味が恋しくなる時もあります。また、スーパーには多くの野菜と果物が売られおり、中には日本では見たことのないものもあります。そのほとんどが量り売りで安いです。また、スペインでは昼食と夕食を食べる時間が23時間ほどずれているので慣れるまで大変でした。

 

スーパーに売っている生ハムの原木 



スーパーの野菜売り場(トマトだけでもこんなにたくさん!)     

 

6.   アルメリアについて

 アルメリアはスペインの中でも南に位置しており、地中海に面しています。海がとてもきれいで平日でも多くの人が海沿いを散歩していたり、ビーチに寝転んだりしています。このゆったりとしたアルメリアの雰囲気はとても心地よいです。また、治安も悪くはないと思います。1週間ほど前にレストランに財布を忘れてしまうという大失態を犯してしまったのですが、何も盗まれることなく、そのまま返ってきました。

 

学校から寮へ帰るときに通るビーチ


 

7.最後に

  私は元々心配性で、どちらかというとネガティブな性格でした。今だから言えるのですが、自分で留学に応募したものの、出発12週間前は不安が押し寄せてきて「やっぱり行きたくない」と考えたこともありました。しかし到着してみると、本当に来てよかったと思っています。周りの人にも恵まれ、新鮮な体験ばかりで毎日充実しています。また、初めて1人で国際線の乗り継ぎをし、海外のバスに乗り、大学へ行き研究をする。戸惑うこともありますが、様々な人に助けてもらいながらこれらが自分の力でできていることで「私でもできるんだ」と自分に自信が持てるようになりました。留学に行きたいけど、不安で迷っているという方はぜひ勇気を出して1歩踏み出してみてください。きっと、楽しめていると思います!

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