スペイン アルメリア大学 (芸術地域デザイン学部 4年 藤本 千穂里)

 こんにちは。スペイン・アルメリア大学に1学期間留学している、芸術地域デザイン学部4年の藤本千穂里です。アルメリアは現在11月に入ったところですが、比較的暖かい気候なので、昼間にはビーチバレーなどを楽しむ人がまだ見られます。

ビーチ沿いの様子

同じくアルメリア大学に留学されている山香さんと今泉さんの記事にて、事前準備・語学やアルメリアでの生活について詳細があるので、今回、私は以下の5点についてお伝えしようと思います。

 

1.       留学のきっかけ

2.       準備不足だった点

3.       アルメリア大学での授業

4.       学生寮(CIVITAS)について

5.       最後に

 

1.     留学の動機

元々、私は外国語を使って人と交流することは好きでしたが、一方で留学に対する強いモチベーションはなく、「できたらいいな」くらいの気持ちでいました。しかし2年生の終わりに、能動的に活動した経験が大学生活で無いことに焦り始め、ちょうど募集があった留学生チューターを始めるなど、できるだけ多くの国際的なイベント等に参加しました。そこから、留学生や留学経験者、留学を目指す人と関わる時間が増え、留学の体験談などを聞くうちに、次第に「留学したい」と真剣に考えるようになりました。ただ、そう決心したのが3年の初め頃だったので、準備はかなり急ピッチで行わなければいけませんでしたが、なんとかTOEFL ITPの条件をクリアし、交換留学に辿り着きました。その過程で、SUSAP2回参加できたことは留学へのモチベーションを高めるのに最も効果的だったと感じます。

 

スペイン・アルメリア大学を選んだ理由は、大学の授業形態が大きく異なり、頻繁に発言・発表を行うことでスピーキング・リスニングを鍛えられると思ったこと、授業で学んだヨーロッパの街並みを実際に歩いてみたかったこと、またそれを活かした卒業論文の執筆がしたい、といった理由からこの大学を選びました。

 

2.     準備不足だったもの

留学準備については、他の方々がかなり詳しく書かれているので、ぜひそちらを参考にしてください。ここでは、私自身が準備不足だったと思った点をいくつかお伝えします。

     ビザ

申請書類の準備だけでなく、大使館自体の情報の確認も重要でした。私は6月下旬に申請して受取は814日以降だと言われました。しかし、8月中旬は盆の時期に加えてスペインの祝日も重なり、非常に長い間休館となっていました。スペイン大使館はスペインの祝日も休館となるため、盆明けに受け取りに行くと、開館から30分も経っていないにも関わらず既に60人以上が待っており、5時間ほど待って無事受け取ることができました。帰る際にはまだ50人ほど残っていたので、休日明けは特に余裕を持って予定を組む必要があったなと感じました。

     履修登録など現地大学の留学手続き

アルメリア大学では、履修登録など全ての手続きをオンライン上で行います。大切な手続きは現地のInternational Officeから直接連絡があるので、漏れや期限遅れがないように進めなければなりません。しかし、後述しますが授業形態が非常に複雑で、現地についてから履修についていくつか修正を行いました。また佐賀大学のように、LiveCampusのような1つのプラットフォームにまとまっているのではなく、質問用のフォーム、履修登録サイト、ビザやパスポートコピーを提出するサイトなどが全てバラバラです。初めは困惑しましたが、授業が開始次第、それぞれ変更等が可能になるのであまり慌てなくても大丈夫でした。ですが、しっかりと確認しながら出発前に済ませておくことが何よりだと思います。

 

3.     アルメリア大学での授業

アルメリア大学では、各学部の授業がいくつか英語で開講されており(全くない学部もあります)、留学生は所属学部問わず様々な分野の授業を受講できます。私は芸術地域デザイン学部に所属していますが、アルメリア大学では経済学部のIntroduction to ManagementDirection and Management SkillsIntroduction to Tourism Marketing3つの授業に参加しています。授業には留学生と共に現地の学生も多く参加しています。授業の形態はアルメリア大学の特色の一つです。どの授業もTeaching sessionWorking sessionに分かれており、前者では教授による説明を中心に知識を得ます。そして、Workingのクラスでは主にケーススタディやグループディスカッション、プレゼンテーションやリサーチを行います。科目にもよりますが、それぞれ12時間のクラスを週に2~4回行います。 

時間割例

かなり特殊な授業形態で、初めは戸惑いましたが、慣れるととても効率的な形だと思うようになりました。TeachingWorkingはそれぞれ連動しているため、他の人に遅れを取らないように、自然とより予習や復習に取り組むようになりました。とはいえ、トピックごとにしっかりと教授が説明してくれるので、専門的な経済について全くの初心者の私でも、楽しみながら授業に参加できています。また、Working sessionでマーケティング等について実際に提案する中で、就職後にも活かせる知識をたくさん得ることができることから、専攻外のことを学ぶ面白さ・興味深さを四苦八苦しながらも感じています。

 
Teaching sessionの様子

1.     学生寮 (CIVITAS)

私はアルメリア大学の学生寮(CIVITAS)に住んでいます。家賃は一人部屋・キッチンなし・電気代/インターネット代/水道代込みで480(75,000)+冷蔵庫レンタル20(3100)です。相部屋もありそちらの方が安いのですが、佐賀大学のゼミにオンラインで参加するため時差等を考慮して1人部屋にしました。部屋には初めからほぼ全ての設備が揃っており、清掃員の方が週に1度部屋の清掃を行ってくれるので、自分で用意しなければならない生活用品はほとんどありません。また、ウェルカムパーティーやハロウィンイベントなど、寮独自の催しがたくさんあります。フラメンコや無料のサングリアを楽しんだり、ハロウィンでは賞品を競って脱出ゲームなども開催されました。このように、アルメリアには陽気な人がたくさんいて、人の温かさを感じることができます。

ハロウィンの飾りつけの一部
 

1.    最後に

 スペインでは、日本とのギャップに驚くことがとても多いです。例えば、バスは時間通りに来ることもあれば、早く出発したり、大幅に遅れたりすることもあります。初めはそうした違いに戸惑い、過ごしていけるのかとても不安になりました。しかし、約2ヶ月半経った今では、そうした違いに慣れ、もしくは楽しめるようになりました。また、前述したようにアルメリアの人々はフレンドリーな方が多いです。会話がコミュニケーションの中心なので、かなり感情を込めて話してくれます。他にも、エレベーターで先に乗っている人がいれば、”Hola”と挨拶し、”Adiós”と言って降りるなど、ちょっとしたコミュニケーションが頻繁にあるので、そこから友達が増えたりしました。海外でコミュニケーションができるか不安で、留学に踏み切れない方もいるかと思います。私自身、応募するまでかなり迷いました。ですが、実際に到着すると想像以上に新鮮な毎日で、自分から話したい、話を聞きたいと思うようになり、自然と会話する機会が増えました。留学、特に交換留学は学生のうちにしかできない経験です。応募・出発前後はやはり不安がつきまといますが、来てしまえばそれを上回る日々の連続です。迷っている方は、ぜひ挑戦してください!

アルメリア近くのカラル・アルト天文台の景色

 

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