オランダ・デザインアカデミーアイントホーヘン(芸術地域デザイン学部 3年 神戸 愛心)

こんにちは。オランダのデザインアカデミーアイントホーヘン(DAE)に2024年の秋学期に半年間交換留学を行っている神戸愛心と申します。この日記では、私のDAEでの留学生活についてお伝えしたいと思います。

<DAEについて

この学校は、芸術地域デザイン学部の協定校で、交換留学プログラムは、基本的に半年間です。アイントホーヘンは、オランダ南部に位置します。

DAEは70年以上にわたり、デザインが達成できることを自由闊達に考え、物質的、社会的、環境的、批判的な革新の道具としてのデザインを一貫して探求することで、デザイナーを育成してきました。この学校はデザインの分野では世界的に有名であり、世界中の40カ国から学生が集まっており、学士の70%、修士の90%が留学生です。DAEは、コミュニティ内の文化と国籍の多様性を誇りにしており、この多様性が、個々の生徒の個人的な成長とデザインへの理解に貢献すると考えているようです。

 
<留学前の準備について>

現地での生活をお話しする前に渡航前の準備についてお伝えしていきたいと思います。

留学前の準備で一番大変だったのは、家探しです。DAEは寮を持っていないため、自分で住む場所を見つけなければいけません。オランダの住宅不足は深刻です。ただでさえ家が見つからないのに、半年間という短期間契約が可能かつ住民登録ができる(様々な手続きに住民登録番号が必要)場所はなかなか見つかりませんでした。私は出発半月ほど前にようやく学校から5km離れた場所に家が見つかりました。毎日往復10km自転車を漕ぐことになったのですが、家が見つかったことは幸運でした。家が見つからず、誰かの家のソファで寝泊まりすることになった人や、過去には屋外でのテント生活を強いられた人もいたと聞いています。 

<英語力について>

留学前は英語が不安要素でした。実際に現地に行くと周りの英語力はとても高いです。もれなく全員英語が非常に流暢で、場違いなところに来てしまったと思ったことは何度もありましたが、その環境のおかげで英語力が鍛えられたと思います。授業では、その場で学生や先生の英語を正確に聞き取りかつ意見を述べることができないと私ひとりだけ取り残されるため、背水の陣のごとく必死に食らいついていました。正直半年の留学期間で英語力をたくさん伸ばすことは難しいのではないかと思っていましたが、留学前よりも特にリスニングとスピーキングが成長したという実感があります。


<DAE
の環境について>

ここでは特にDAEの多様性と授業についてお話ししていきたいと思います。

まずは、DAEの多様性についてです。私は、DAEの強みは、多くのバックグラウンドを持った人がいることだと思います。2つ目の学校として学びに来ている人や社会人として働いていたけれど学び直しに来ている人やなど様々で、同じ学年でも年齢層がとても幅広いです。また、先述しましたように、大多数が留学生である国際色豊かな学校なので、様々な国の方々と出会うことができます。「オランダにいるのにオランダではないみたい」と言っている友達もいました。普段の会話のふとした時に「日本人が間接的に物事を言うというのは本当か」「優しさをどのように定義するか」「宗教はなぜ存在しているか」というような議論になるときがあり、その人が自国の文化をどのように見ているかを垣間見ることができ、とても興味深いです。

次に授業についてです。授業は、講義ではなく学生各々のプロジェクトがメインです。つまり、とあるテーマに沿って自分たちで個人の研究や制作活動を進めていきます。プレゼンテーションやディスカッションなど自ら発信する機会が多くあります。自分はなぜこれをしたいのか、なぜこのように考えるか、自分がどのような影響力を社会に持ちたいか等といったことを徹底的に考えるのは、難しいですが、本当に楽しいです。他の学生の皆さんにたくさんの刺激を受けながら毎日一生懸命学んでいます。

 

テキスタイルワークショップ

セラミックワークショップ
(左)セラミックワークショップ (右)11月のプレゼンテーションの様子
※他にも様々な種類のワークショップがあり、
プロジェクトに合わせて、自由に利用することができます。


<学校外での生活について>

放課後や休日は、課題やプロジェクトに取り組むことが多いですが、時間があるときは、高価な外食に行く代わりに、誰かの家に集まり皆で食事を作ることが多いです。学校の周りにバーがあり、そこでゆっくり雑談することもあります。学生主体のレイブが定期的に開催されます。学校の近くに駅があるので、アムステルダム、ロッテルダムやハーグは比較的手軽に遊びに行けると思います。


(左)交換留学生の友達との食事     (右)アムステルダムの風景 
       


<
最後になりますが…>

DAEでの留学は本当に面白いです。とても個性豊かな先生や友達に出会うことができます。プロジェクトを進めていくのは、私にとって非常に難しく大変でしたが、結局楽しさの方が勝ります。勉強を心から楽しむことができる本当に恵まれた環境で学ばせていただいたと感謝しております。
芸術地域デザイン学部の皆さんで留学に興味のある方は、ぜひデザインを専門的に学べるDAEも候補に考えてみてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 


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