医学を休学し、海外へ
こんにちは、坂本智香です!医学部を休学し、現在デンマークに留学して半年がたちました!
文部科学省の展開するトビタテ!留学 JAPAN の 17 期生としてデンマーク、イギリスの 2 カ国留学(計 7 ヶ月)を計画しています。
医学部の中では珍しく休学までしてなぜ留学という道を選んだのか、そしてなぜトビタテ留学 JAPAN なのかについても綴ろうと思います。
単なる交換留学でも、語学留学でもなく、自ら目的を持って留学をデザインするという点で、この記事が挑戦の一歩を踏み出そうか迷っている佐賀大学の皆さんの背中を少しでも押すきっかけとなれば幸いです。
目次
- ① なぜ休学までして留学?
- ② 留学先①デンマーク:フォルケホイスコーレ
- ③ 実際に現地で何しているの?
- ⑤トビタテ!留学 JAPAN の活用
- ⑥ 挑戦してみたいと思うあなたへ
① なぜ休学してまで留学?
私が医学部 3,4 年生の時、ワクチンで撲滅可能な子宮頸がんについて、正しい知識を知った上で自分で選択できる環境を作るために啓発活動に力を入れていました。
老若男女合わせて約 2000 人と話す中で若い世代、特に 10 代の人ほど「産婦人科」や「性の健康」に関する相談窓口に対して、心理的に非常に強い抵抗感やハードルを抱えているという事実を痛感していました。
そこでもし、10 代の頃から気軽に通える「かかりつけの病院」や相談できる場があればどうだろうか。予期せぬ妊娠の不安、月経の苦痛、そして HPV ワクチンのような予防医療の知識。
これらに早い段階でアクセスできれば、多くの若者が心身が健やかに、自分自身の可能性を最大限に広げることができるのではないかと感じたのです。
そんな課題感を抱える中、出会ったのが、北欧、特にスウェーデンやデンマークに深く根付いている「ユースクリニック」の存在でした。若者が性や心身の悩みを無料で、かつプライバシーが完全に守られた環境で助産師やカウンセラーに相談できるこの仕組みを実際に視察し、日本への導入に繋げようと考え、自分の興味や熱意の方向性を確かめるために一年の休学期間を取り、留学することを決めたのです。
②留学先①デンマーク:フォルケホイスコーレ
HPV ワクチンの啓発活動をする中でもう一つ問題意識を持っていたのが、日本の性教育についてでした。産婦人科=妊娠というイメージがあり、恥ずかしくて相談しに行けない、HPV 自体も性行為によって感染するものなので、性の話無しには語れません。
私が実際に出張授業の提案を各中高にした時も、性交渉というキーワードがあるからと、断られたこともありました。
私は寝た子を起こすな、という従来の性教育ではなく、むしろ正しく知って初めて自分の体へのリスペクトを持つことができると思います。だからこそ今の日本の性教育の現状も変えたいという思いがありました。
そこで留学先として選んだのが、デンマーク発祥の教育機関「フォルケホイスコーレ(Folkehøjskole)」です。
フォルケホイスコーレとは、18 歳以上であれば誰でも入学できる全寮制の成人教育機関です。
最大の特徴は、試験や成績評価が一切なく、すべての学びが「対話」を通じて行われる点にあります。私は、カリキュラムの中に性教育や社会科学、人間の権利について深く学べる科目を含む学校を選択しました。
フォルケホイスコーレという環境では、日常的に多様なバックグラウンドを持つ仲間と寝食を共にし、何度もディスカッションをします。性教育がどのように社会に位置づけられ、若者たちの価値観を形作っているのかを内側から学ぶために、これ以上ない最適な環境だと思います。
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| 学校のパーティーで |
③実際に現地で何しているの?
フォルケホイスコーレに通って性教育をはじめとした授業を受けながら、土日や連休を使って海外視察ツアーなどの運営をしています。
1. スウェーデン・デンマークでの性教育視察ツアー運営
一般社団法人ソウレッジという団体のインターンとして、デンマーク・スウェーデンのユースクリニック視察ツアーの運営を日本にいる時から含め約半年間にわたり行っていました。
日本時間とデンマーク時間でミーティングを行うときは時差の問題があり、やり切るのが大変でしたが、集客や広報など医学部にいては中々学べない仕事だったのでやりがいはありました。
当日はいち参加者として念願だったユースクリニックを訪問し、スタッフがどのように若者たちを迎え入れ、どのような言葉でセクシュアリティについて語っているのかを視察しました。
日本では「隠すもの」「恥ずかしいもの」としてのイメージがいまだに自分の中にもあったのですが、視察を通して「性=命」なのだと心から納得することができました。やはり教育者である大人の意識は子供に伝わってしまう。だからこそ、教育者側の教育も性教育においては重要だと実感しました。
2. コペンハーゲン大学公衆衛生研究者へのインタビュー
また、指導してくださっている佐賀大学の教授の紹介でコペンハーゲン大学の公衆衛生分野の研究者にアポイントメントを取り、直接インタビューを行うこともできました。
デンマークの国民 ID がどのように研究に使用されているのか、統計データや政策的背景を踏まえた専門的な知見に触れたことは、公衆衛生に興味を持つ者として非常にワクワクし、圧倒される時間でした。
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| コペンハーゲン大学の研究員の方と |
3. デンマーク王立病院での実習
また幸運なことに、デンマーク王立病院での実習機会を得ることもできました。
日本とは違うチーム体制、日本の手術の相違点、効率化された医療システム、デンマークらしいアートに満ちた病院内、日本の医療現場しか知らなかった私にとっては興味深い経験でした。
何よりも今回引き受けてくださった王立病院で 15 年以上働く日本人医師の先生の生き方がとても格好良く、まだまだ将来が決まっていない自分の背中を大きく押して下さいました。
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| 病院見学を受け入れてくださった先生方と |
④トビタテ!留学 JAPAN の活用
さて、今回私は留学する上で、トビタテ!留学 JAPAN という文部科学省が展開する奨学金を取得することができました。
実は、私は高校生の頃からこの「トビタテ」のコミュニティに対して強い憧れを抱いていました。世界を舞台に独自の情熱を持って挑戦する「トビタテ生」たちの姿は輝いて見え、いつか自分もその一員になりたいと願い続けていました。
しかし、「医者になりたい」以外に達成したいゴールが見えていなかった私はトビタテの挑戦の舞台には立てずにいました。
しかし大学に入り、これまでの HPV ワクチンの啓発活動や、北欧のユースクリニックへの興味関心が後押しし、やっとこれなら納得して挑戦できると思い満を持して挑んだのです。
何ヶ月もかけて自身と向き合い、数えきれないほどたくさんの人を巻き込んで作成した留学計画は採用され、念願のトビタテになることができました。
トビタテは単なる資金援助の制度ではなく、日本全国、そして世界中に「社会をより良くしたい」と願い、自らの情熱を追い求める熱い仲間とのネットワークをくれる場所です。
留学先でも世界中に仲間がいるというのはいいものです。旅行する度にトビタテ生と会い、お互いの近況報告をしてエネルギーをもらうことができます。
周りの 5 人の平均が自分自身とよく言うように、このコミュニティに入ったからこそ環境が変わり、挑戦のハードルが下がったように感じます。
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| トビタテの仲間たち |
⑤ 次の目的地:イギリスランカスター大学
北欧での濃厚な挑戦を経て、少しヨーロッパを旅した後はイギリスへ拠点を移し、ランカスター大学が主催するサマープログラムに参加する予定です。
これまでデンマークやスウェーデンで学んできたことは、主に「性と健康」、そして「対話を通じた社会づくり」でした。次なるステップであるイギリスでは、これまでの学びをさらに昇華させ、「国際文化」と「リーダーシップ」について深く学びます。世界中から集まる多様な次世代リーダーたちと共に議論を交わし、文化の壁を越えて人々を巻き込み、社会にポジティブな変革をもたらすためのスキルとマインドを磨き上げることが目的です。
医療の知識と人や社会を動かすリーダーシップを身につけ、社会変革に必要な自らの土台を固めたいと思っています。
⑥ 挑戦してみたいと思うあなたへ
「まだ学生だから」「医学部だから忙しいから」「お金がないから」
挑戦しない理由は、いくらでも見つけることができます。しかし、一歩を踏み出した先には、想像もしなかったほど広い世界と、温かく、熱い仲間たちが待っています。しかもその一歩は思ったより高い壁じゃないかもしれません。
トビタテ!留学 JAPAN をはじめとする手厚い支援制度を活用すれば、経済的な障壁を乗り越えて、自分の情熱をカタチにすることが可能ですし、おすすめです。
佐賀大学という素晴らしい環境を既に持ちながら、世界という大きな舞台へ飛び出してみませんか? あなたの中にある違和感や大好きなこと、「これをしてみたい」という小さな情熱の種から目を背けず、どうか大切に育ててください。
皆さんの挑戦を、心から応援しています!




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