Living in a country of English

1.はじめに


 こんにちは。経済学部経済システムの課程の川良邦弘です。アメリカでは期末テストも終わり、ゆったり出来る時期になりました。さて今日はアメリカでの留学生活について書きたいと思います。僕は現在オレゴン州のフォレストグローブという小さな町にある、Pacific Universityという小さな大学(学部生:1600名弱)に通っています。限られた経験による限られた視点からですが、みなさんに出来るだけ多くの情報を伝えられたらと思います。


2.生活環境(大学のある町・大学の施設・周りの学生について)


 まずフォレストグローブという町について。治安が良く、ちょっとバスと電車を使えば大都市(ポートランド)に出られるという点ではなんとなく佐賀と似ている気がしますが、こっちは佐賀よりも結構田舎です。遊ぶ施設もそんなに多くありません。なので週末は毎週ポートランドまで行くという友達もいます。ですが贅沢せず普通に生活するだけならこの町の施設だけでも困ることはないと思います。あと緯度が高く(北海道の網走くらい)結構寒いので防寒具はちゃんとそろえておきましょう。寒さには2週間くらいで慣れます。
 次に大学の施設について。場所によりますが教室は全体的に小さいですが少人数なので狭さは感じません。ただ教室によってはアメリカ映画で見るような席の密集した作りになっているところもあります。最初はかなり窮屈に感じましたが、これも2週間くらいで慣れます。また図書館内に24時間の自習室があります。僕はあまり使わないので分かりませんが、テスト前以外はすいてると思います。寮も色々ありますが、僕の住んでいる寮は四人一組で住んでいて、キッチンが一つとそれぞれに個室が与えられています。暖房があるので室内では寒さを感じることはありません。そして劇場のような施設があり、オーケストラなどを観ることが出来ます。僕も一度アメリカ人の友達と連れ立って行きましたが、「家での勉強だけでなく、こういうものを観ることも留学の意義だよ」と言っていました。また他の学生が、「この大学は都会の大学よりもアカデミックな雰囲気がある」と言っていたのが印象に残っています。そういう大学だと僕も思います。
 そして大学に通っている学生たちについて。まず僕はこの大学に通う学生たちの純朴さに驚きました。アメリカ人は怖い人ばかりだと思っていたので・・・笑。でも実際はみんな親切ですし、すぐにテンションが上がるから僕の行動に対して一々大きなリアクションが返ってくるのにも驚きました。またアメリカの学生は皆GPAを気にするので日本の大学生と比べたらよく勉強してると思います。そして勉強してる分だけ遊んでいる、という印象です。



3.英語・授業について


佐大からは大抵の人は語学を上達させるために留学に行くと思います。なので「アメリカに行くことで英語が上手くなる」というよくある言い伝えの真偽についてまず答えておきます。これは半分本当で半分嘘だと思っています。まずアメリカは英語の国なので、英語を使うのが自然で、また英語を使うしかないという環境にあります。そういう環境では日本で英語を話すときのような気恥ずかしさはありません。ですから日本で学んだ英語をどんどん使うことが出来ると思います。しかし、英語の基礎力自体はアメリカに来る前によく鍛えておくことをお勧めします。基礎のある人とない人では来てからの英語力の伸びが全く違います。アメリカに来て「英語慣れ」したおかげで英語が上手くなったと錯覚することがよくありますが、基礎がないと本当の意味で上手くなることはないと思います。

 では具体的にどの程度のレベルまで基礎力があればOKかというのを書いておきます。皆さんが受けているTOEFL-ITPで例えると、例えばリーディングのスコアが55あれば時間はかかりますが授業で使う教科書は読めると思います。60あれば時々引っかかりながらもスラスラと読めると思います。問題はスコアが50ないときで、僕はリスニングが本当に苦手でスコアが50を切っていて、しかも留学前までそれを放置していたので、来てから結構苦労しました。アメリカでちゃんとやり始めて、今でもネイティブ同士の会話はあまりよく分かりませんが、授業で先生が言ってることは大体分かるくらいにはなりました。TOEFLのスコアはあくまで参考にしかなりませんが、アメリカ等の大学で使う英語を想定しているのでそういう基礎力を測るのには適してると思います。

 具体的な勉強法は人それぞれだと思うのであまりここでは語りません。ただ、一年生のときに受けていた英語の授業で、”The best way to master a foreign language is to use it.”とサウス先生がおっしゃっていて、その言葉の通りに勉強してきました。リーディングを伸ばしたいならよく英語を読む、リスニングを伸ばしたいならよく英語を聞くということだと思います。

 授業の取り方ですが、純粋に英語力だけ伸ばしたいなら既知の分野の授業を取るのをオススメします。「内容が分かってるなら英語力はあんまり鍛えられないんじゃないか」と思われるかも知れませんが、内容が分かっているからこそ、日本語で習ったことと英語とをリンクさせることが出来て、結果自分のものに出来るのだと思います。僕も経済の授業を2つ、数学を1つ取りました。でも初見でどれくらい理解できるかを試すためにあまり知らない分野の授業を取ってみるのもいいかも知れません。一番いいのは習った・習ってないに関わらず興味のある分野をとることだと思います。興味があれば勉強していて楽しいですし、興味がないと外国語で書かれた教科書なんか読む気もしませんから。

 具体的な授業形式は授業によって結構違うみたいなのであまり詳しく書きませんが、アメリカでは学生も先生も一方通行の講義は期待していないと思います。学生は授業中よく質問しますし、先生も結構学生を当てます。なのでよく勉強していないと上手く授業の流れに乗れません。また一週間あたりの科目ごとの授業回数も違います。4単位の科目なら大体65分の授業が3回か95分の授業が2回というのが標準で、一週間の内同じ授業に出る時間は日本の倍くらいあります。期末テストの他に中間テストが23回あって、小テストも1週間に一回あったりしました。あまりサボれません。宿題も毎回(少なくとも毎週)あったので2日くらい勉強をサボるとすぐたまったりして大変でした。ちゃんと毎日コツコツ勉強する習慣をつけておいた方がいいです。ただやってる事自体は簡単な事が多いので、単位の心配はしなくていいです。


4.終わりに


長々と偉そうに書いてきましたが、英語に関してもいろんな事を経験する事に関しても、まだまだ足りないなと感じながら生活しています。僕は一年生の時に参加した留学生フェアをきっかけに留学というものに興味を持ちました。というのもそこである先生が、「留学先での一年間は佐賀での二年間に相当する」というようなことをおっしゃっていたからです。その言葉が本当か分からないままアメリカまで来てしまいましたが、確かにそうかも知れないなと最近思い始めています。なぜなら外国での生活ということで何をしても勉強になるからです。普通に授業に出るだけでも発見があるし、毎日バックグラウンドの違う友達と世間話をするだけでも彼らから学ぶことがありますから。
僕の書いた文章で留学に興味を持ってくれた人が一人でもいたら幸いです。留学のための勉強は大変だと思いますが、頑張れば日本ではない色んな経験が出来ると思います。自分の力を信じて勉強に励んでください。


コメント