オーストラリア留学



こんにちは。現在オーストラリアのシドニー工科大学(UTS)に留学中の綿村遼実です。私がここでの1年を決意した理由はこれと言ってはっきりありません。とりあえず1年間英語圏での生活に身を投じ、現在では珍しくない1年留学とはどんなものか、自分の経験として蓄積したいと単純なものでした。国を選ぶにあたって、私の今の実力で可能なところと絞り、昔から我が家のシンボルとしてあるジャカランタの木(オーストラリアで有名)が最終的な決定要因となりました。そして現在、こんな中途半端な動機でスタートを切った私ですが、思う存分シドニーでの生活を楽しんでいます。そのいつくかを今から紹介していきます。

『シドニーと日本』
オーストラリアは多国籍で有名ですが、シドニーは第一都市ともあり、海外からの移民や旅行者が比較的集中しており、その背景も多種多様です。町を歩いていてもすれ違う人の人種や放つ雰囲気は一様ではなく、改めて日本にいる時との大きなギャップを感じました。この多文化社会のせいか、ここはオープンで物怖じしない温かな人々に恵まれています。初対面や別れ際は男女関係なくハグは当たり前、目が合えば知らずとも微笑んでくれるし、多少の失敗は洗い流しています。電車やバスに乗っていてもどこから来たの?と軽い会話を交わすようなことはまず日本ではありません。そのせいか、ここではどこへ行っても何だか安心感を感じます。

食べ物
私がシドニーに来た最初のころ、ほぼ毎日のように食べていたのがBBQwelcome BBQと称してイベント盛りだくさんの学期の始まりはどこへ行くにもBBQが私をもてなしてくれました。しかしこれがみなさんが想像するようなBBQじゃないんです。

明らかにサンドイッチです。ソーセージとチーズを食パンでサンドしただけなのですが、これがこちらで言う正式なBBQなのですね。普段の食事はというと、私は自炊生活なので日本にいる時と対して変わりません。しかし外食しようと町を散策すれば、アジアはもちろん、アメリカからアフリカ、ヨーロッパまで幅広いチョイスを楽しめます。日本食が恋しくなると思われる方も多いと思いますが、スーパーに行けばある程度手に入りますし、寿司レストランはあちこちにあります。ただ外食するとなると日本の倍近く値が張るのでそう頻繁にはできません。

自然
シドニーに来て1番に感動したのが広大な青い空。町の中心でこの青さを観望できるのはシドニーならではです。さらにビルばかりの中心街にどんと大きく位置する公園。日本のように特別な遊具があるわけではなくまさに自然そのもので、長く続く青い芝生と写真のように時々動物にも出会えます。町の中心で人目を気にしないでごろりと寝転がり音楽を聞いたり読書ができるこのオープンさは、やはり日本にはない習慣だなぁと思わせられます。そして忘れてはいけないのが、ビーチ!数あるシドニービーチの中で特に有名なボンダイとマンリーはいつ訪れてもものすごい数の若者たちで埋め尽くされてます。夏場は学生たちは毎週のようにビーチへ向かい、日光浴やサーフィンを楽しんでます。

『大学生活』
授業
UTSは学部授業に必要な英語スコアを満たしていない場合でも、英語の基礎コースとして学部授業に似た形式の授業をとることができます。私もこの授業をとっている一人ですが、20人前後のクラスで8割の学生が日本人で、現地や海外からの学生と出会う機会は少ないです。
授業は3教科。間に15分ほどの休憩を挟んで13時間が一コマ、週3コマのペースで授業が進みます。内容は私の場合、オーストラリアの文化や社会を中心にしたもので、特に原住民のアボリジニを扱ったものが多いです。授業中はレクチャーやグループディスカッション形式の中で積極的な発言が求められ、英語力だけでなくいかに自分の国について理解しているかもここでは問われます。課題はレポートが毎週のように課されますが、空き時間が多いため苦になるほどではありません。授業とは別に、正式な授業の受講に必要なIELTS試験の対策をせねばならず、そちらの勉強に追われる日々です。

私はUTS4つのうちの2番目に大きな寮に住んでいます。寮費は日本とは比べられないほど高いですが、自習室や共有スペース、プライベート空間などの設備は満足のいくもので、ルームメイトに問題がなければ非常に快適な生活を送れます。私は4人シェアでその背景もオーストラリア、ドイツ、中国と多様な文化の中で生活を供にしており、価値観の違いに腹が立つこともあれば、面白いと感じることもあり、私なりに楽しめています。特にオーストラリアのルームメイトは気さくでユーモアがあり、怒っているのかと思えばいきなり笑い出したり、物陰から私を驚かそうと待ち構えていたりします(私も時々仕返しをします)。また、寮が開催するイベントが毎日のようにあるのも魅力の一つ。勉強面のサポートから映画鑑賞、スポーツ、クッキングなど幅広い活動が催され、友達づくりや他国の学生との交流に最適の場です。私はクラスが日本人ばかりだけど、ここで国柄の異なる友達にたくさん巡り会えました。来たばかりのうちは慣れないだろうし、余裕もないと思うので、学外のシェアハウスを探すよりもUTSの寮に住むことを強くお勧めします。

現在の時点でちょうど半期が終了し、折り返しの地点にいて思うのは、今この場にいることにとても幸せを感じることです。必ずしも自分の思い描いた未来を辿っているわけではないし、自分の能力の限界や欠点に苦しみ泣く日々もありますが、周りで支えてくれる人、改めて感じる家族のありがたみや自分と向き合ってきた時間は今の私の大きな財産になっていると強く感じます。家庭の事情や金銭面などで留学したくてもできない人がいる中で、この貴重な経験や人との出会いを与えてくれる留学生活を自分は送れていることに感謝しなければと思います。この気持ちを常に忘れず残りの半期も悔いのないよう、さらにシドニーでの生活を楽しみます!最後になりますが、もし留学するかで迷っている人には、やらないで後悔するよりもやってみて失敗しても必ずどこかで自分の成長に繋がっていく道を選んでほしいです。

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