Indonesiaから「Selamat siang !」



みなさん初めまして!
工学系研究科 都市工学専攻 2年の池田千代と申します。

 トビタテ!留学JAPANの一期生として9月から11月までの3ヶ月間、自身の研究調査のためにインドネシアに滞在しています。
 今回は留学するに至った経緯や、現在の生活についてみなさんにお伝え出来ればと思います。特に、「留学なんて、語学を学びたいとか、海外の大学で勉強したいと思っている人がいくもの」と考えている、理系や工学系のみなさん読んでいただければと思います。

語学のためでも、授業を受けるためでもなく『研究調査のため』に留学することも出来ます!

------------留学に至った経緯-------------
 私は学部生のころ、まさか自分が留学するなんて考えてもいませんでした。大学院に入学し、インドネシアの、とある集合住宅を対象に研究を進めることになってからも、留学は考えておらず、数回の現地での調査で、研究に必要なデータを収集するつもりでした。その数回の調査だけでは、満足出来ない部分も多々ありますが、すぐに行ける場所ではありませんし、何よりお金もありません。そんなときに、「官民協働トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の説明会に参加することとなり、その説明によると、必ずしも大学に所属しなければならない訳ではなく、フィールドワークや研究活動でも参加可能とのことでした。この制度に合格出来れば長期間の滞在が可能で、何より多くの調査が出来る!と思い立ち、応募書類を大急ぎで作成し一次審査、二次審査を経て無事に留学のチャンスを手に入れました。
 この留学以前にも短期間の海外渡航の経験はありましたが、語学力に自信はなく、ましてやインドネシア語は“ありがとう”くらいしか知りませんでした。しかし、トビタテ!の審査では語学力やコミュニケーション力だけではなく、留学に対する“熱意や意欲”が重視されていたように思います。だからこそ、語学力皆無の私が今、こうしてインドネシアに留学出来ているのでしょう。


------------現地での生活-------------
<寮での暮らし>
 私の主な調査地はジャカルタなのですが、生活をしているのは、ジャカルタから電車で約1時間のボゴールという都市です。ボゴール農科大学ダルマガキャンパス内のインターナショナルドミトリーにて生活しています。ドミトリーは1人部屋で、シャワーからお湯が出ないことを除けば十分快適です、日本人学生も多く、不安なことや分からないことがあればすぐに聞けるので安心です。

 

研究のために持ってきた全方向撮影可能なカメラを使って撮った寮の様子


<食生活>
 食生活に関しては、寮から10分ほど歩いたところに屋台やお店が立ち並ぶストリートがあり、ほぼ毎日そこで食事をしています。有名なナシゴレンをはじめ、ミーゴレンやスープ、焼き鳥、ガドガドなど、様々な現地の食事を体験しています。宗教上、豚肉を食べることができないので、鶏肉を使った料理がとても多いです。味付けは辛いものもありますが、調節可能なので、注文時に“辛くしないで”と頼めば、おいしくご飯が食べられます。ボゴールはジャカルタに比べても物価が安いので、ご飯はどれも70円〜150円(7000rupiah15000rupiah)程度、日本では500円ほどしそうなフレッシュジュースは50円程度で飲むことができます。全メニューお持ち帰りが可能なので、出かけた帰りに買って帰り、寮で食べるといこともしばしばです。



 

インドネシアで食べた色々な料理


<交通事情>
 さて、私がインドネシアで生活していて最も困っていること、それは交通です。ボゴールの渋滞を体験して驚きました。大学から駅や、ショッピングセンターに行くときはアンコッタと呼ばれる乗り合いのミニバスに乗っていきます。乗車料金は30円〜35円程度で激安なのですが、時間の保証は全く出来ません。少しの距離でも速いときで10分、渋滞がひどいと1時間以上かかることもあります。なので、時間には十分に余裕を持って移動する必要があります。また、 自動車用の信号も少なく、歩行者用の信号なんてありません。道路を横断したいときは車やバイクに注意しながら渋滞の中を縫うようにして渡ります。最初は戸惑い、なかなか渡ることが出来ませんでしたが、最近ではインドネシアの友達をお手本に、車を止めるようにして渡っています。


 
駅前に止められた無数のバイク

渋滞の様子(まだ軽めの渋滞)


 <休日の過ごし方>
 これまでの休日は、寮からアンコッタで1時間程度の場所にあるショッピングモールに行き、インドネシアの伝統的な衣装であるバティックなどのお買い物をしたり、いつもご飯を食べているストリートで日曜日の午前中に開かれるマーケットに行ってみたりしています。ここでは生活用品からお土産まで揃えることが出来るので、これまではあまり遠出をしていなかったのですが、これからの休日は少し足を伸ばして、インドネシアの友達のおすすめ観光地を案内してもらう予定です。


 

日曜午前中のマーケットの様子

<言語について>
 私はほとんどインドネシア語が話せないまま、留学してきました。こちらの友達とはなんとか英語で会話しているのですが、道を訪ねたり、お店の人に質問したりするときは辞書を片手に片言のインドネシア語を使っています。発音が難しく、なかなか通じないこともありますが、みなさん親切に教えてくれるので、なんとか生活出来ています。こちらの友達に教えてもらいながら少しずつインドネシア語を習得しています。ちなみにインドネシアには親日家の方が多く、店員さんに「コンニチハ」と話しかけられたり、道を歩いていると、「アリガトー」と言われたりすることもあります。


------------研究活動-------------
 私の専攻は建築環境工学で、現地では集合住宅の中の気温や湿度を測定しています。調査対象の建物までは、寮から3時間ほどかかりますが、週に1度現地に赴き、機材の点検等を行っています。調査地には子供たちがたくさんいて、調査の休憩中には折り紙を作ったり、お絵描きをしたりして、遊んでいます。
 また、自身の調査だけではなく、現地の学生と一緒に気温の測定を行うことも計画しています。専門分野のことを英語で説明することが難しく、日々、英語と戦いながら研究活動をしています。
 インドネシアの気候は日本とはかなり異なるため、インドネシアの人々の暮らし方には驚くこともあり、この場所で実際に暮らし、自身がインドネシアの生活を体験することも、研究調査のうちの一つです。





調査対象地の子供たちと



------------最後に-------------
 今、少しでも留学をしてみたいという方、ぜひ挑戦してみてください。私も留学前は不安でいっぱいでした。言葉もわからない土地にいきなり飛び込み、生活をすることがすごく怖かったです。しかし、実際に生活してみると、なんとかなるもんだ!と思いました。不安な気持ち以上に、日本を離れて海外で生活するということに対する好奇心の方が大きいように思います。どこに行くにも、何をするにも初めてのことばかりで、食事をする、買い物に行く、それだけでも貴重な体験が出来ているのだと実感します。
 研究活動のために留学するなんて、1年前の私には考えられないことでした。トビタテ!の留学制度を知らなければ、このような体験はできなかったと思います。留学は語学だとか、文化だとか、そういうことを学ぶ学生のためだと、留学について消極的になっている理系・工学系の学生もぜひ、留学について考えてみてください。“海外で生活する”だけでも留学の意義はあると思います。



工学系研究科 都市工学専攻
池田千代

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