森と湖の国から



Moi! お待たせしました。森と湖の国、みんなの憧れの地フィンランドから、文化教育学部国際文化課程4年の田中佑実です。勝手に「みんなの憧れの地」に仕立て上げましたがみなさん、フィンランドにどのようなイメージを抱いていますか?そりゃぁムーミンとマリメッコでしょ、あ、フィンランドって言ったらサンタクロースの国だった?え、確かフィンランドって劇的に寒くなかったけ、違ったっけ、だってほら雪の日はスキーで会社行くって言うじゃん。耳をすませば色んなイメージが聞けそうですが、そんなまだ少し日本からは遠い存在の、特に留学先としてはあまりよく知られていない国での留学生活をお伝えしたいと思います。
   

この湖は私のお気に入りの場所(夏の湖)
 


なぜフィンランド
そう、なぜフィンランドなのか。よく聞かれる質問です。確かに前に述べたようにフィンランドは留学先としてのイメージがわかない。何しろ高校の時から留学すると決めていた私も留学先はオーストラリアだと決めていたので。ところが、去年から佐賀大学がフィンランドの大学と協定を結んだと去年の夏頃に小耳に挟んだ私は少しずつ心が揺らぎ始めていました。フィ、フィンランドってどこだったっけ・・・あ、なんか上のほうだったよね、あの半島の3つの国のどれか1つだよね、え、ちょっと待ってフィンランドってサンタさんの国だ!うぉぉお、そうだ!(田中心の声)大体この国の位置すらもわからず、そしてそこに何があるのか、寒いかどうかなんて最初は本当に何も知りませんでした。でもこれが私がこの国を選んだ理由につながります。未知の国に行ってみるのもいいのでは、面白そうだし!そして少しずつフィンランドについて調べてみたら、森と湖、自然に寄り添って生きていく人々がいる、穏やかで、福祉も教育も優れている、何かしら人よりワンテンポ遅い私にとってどんなに魅力的な国であるかがわかってきたのでした。そしてもちろん好奇心だけではなく、フィンランドの大学では英語で授業を受けることができるということ、私自身教員免許を取得していることもあり、世界で優れていると言われるフィンランドの教育がどういうものなのかを知りたいということ、様々な理由が重なってここを選んだのでした。

大学
・通学
通学は自転車か徒歩、またはバスでしょうか。私のアパートは結構大学から離れているので、私の自転車(キッズ用)だと15分くらい、徒歩だと片道40分くらいです。雪の日などはバスを使わなければならないでしょうが(雪の日でもガンガン自転車こぐ強者もいますがもちろん危険)1回乗車で€3.30なのであまり使いません。でもバスカードがあるようなので流石に12月はバス通学になる予感。

大学のメインの橋
Aaltoがデザインした学校

・学食
誇るは学食の安さ。1食サラダとメイン、パンも含めて€2.60で十分お腹いっぱい。学食といってもひとつだけでなく、このユバスキュラ大学にはキャンパス内に学食が78個はあります。それぞれの食堂ごとに毎日メニューが違うので私の友達なんかは毎回お昼前にチェックしています。なんとも健気。この前のクリスマスはクリスマスランチなるものが登場していました。フィンランドのクリスマスのメインはチキンではなくてハムなのです。学食を食べるだけでもなんだかフィンランド感が味わえる、ときに謎な食事が登場したりしますが、日本の学食とはかなり違っていて私は好きです。


これがクリスマスランチ

同じ課程の仲間とWater Kippis(水乾杯)

・授業
授業は英語で受けています。フィンランドはもちろんフィンランド語を持っていますが私の学校は毎年400人ほどの留学生を迎えているため英語での授業も開かれています。それにフィンランドの方々は子供でも驚く程流暢に英語を話します。だから、英語で開講のクラスでもフィンランド人の生徒と一緒に授業を受けることもしばしば。私はコミュニケーションを中心に学んでいますが、それだけではなくてフィンランド語、教育、メディア、歴史などの授業もとっています。授業の雰囲気ですが、先生と生徒との距離は近く、授業は毎回グループで話し合いやプレゼンをしたりします。授業はどの授業もパワーポイントで進められていき、授業でのスライドは授業後、全生徒にネットで配信されるので、授業内容のチェックをすることができます。21世紀ネット社会に感謝。そのため、授業についていくのが苦痛ということは特にありません。ただ、ただ唯一辛いのは宿題。1番の驚きはここでした。え、レポート10枚以上ですか?日本語でも私23ページくらいしか書いたことないけれども・・・ん。それプラス毎回の授業の振り返りレポート2ページ・・・最初は日本との差のあまりの激しさに目が点になりました。それから授業の予習としてリーディング20ページ以上は当たり前でした。でも、そのすべてをやり終えたあとの、自分やればできるじゃないってなるのがいいんです。

授業はこんなふうにスライドで 
授業の合間に

寮・アパート
私は大学の寮には住んでいませんが、大学が勧めているアパートに住んでいます。近くには湖があって森があって、大きなスーパーが3つほどあっていい場所です。3人でキッチン、トイレ、シャワーをシェアしますがひとりひとりそれぞれの部屋がありプライベートな空間は保たれています。私のルームメイトは日本人が1人と台湾人が1人で仲良くそれはそれは平和に暮らしています。時には一緒にお菓子を作ったりして長々と語り合うこともあります。しかし、唯一の問題はこのビルディングが、パーティービルディングであるということ。パーティービルディングとはなんぞや。それは毎週金曜日土曜日になると大音量でパーティーが開かれるそれはクレイジーなビルディングのこと。私が住むこのアパートはユバスキュラでも有名なパーティービルディングです。私は我慢できますが、パーティボーイまたはガールでない限り他の人には勧めないビルです。ぜひ、ユバスキュラに住む時は「Mビル以外で」と言いましょう。でもそれを除けば毎月水道も電気もインターネットも洗濯機乾燥機の使用も、全て込みで€225というのはかなりいいお話。

 みたらし団子作りました
散らかって見えるのは気のせいでしょう

フィンランドの生活
実は1番語りたかったのはここ。フィンランドでどのように過ごしているのかということです。私がフィンランドについたのは8月の終わりでした、9月はきのことベリーの季節で森に行ってはきのこやベリーをどっさり摘みました。きのこも毒キノコかどうか少し見分けられるようになりました。ベリーは無心で摘んで、それをベリーパイにします。これがフィンランドの秋。



1人早朝森に行って摘みました
ブルーベリー
そして今は冬、気温はマイナス10度前後。もはや0度を超えれば超暖かいレベルに達しています。気温はこれからまだまだ下がります、マイナス20度くらいまで。太陽は10時前にのぼり、2時過ぎから沈んでいきます。日照時間は短い上に太陽が雲から顔を出すこと自体が貴重です。この天候に慣れるまでに時間がかかると思います。私も1011月はそれはもう気が狂いそうでしたけれども、今はもう慣れてしまいました。辛い時はビタミンDサプリメントに頼って気を確かに。でも雪があるとかなり気持ちが明るくなります。湖は凍り、天然のスケートリンクに変身。靴下3足、ズボン3本、上着4枚、手袋2枚に帽子とマフラー装備。これがフィンランドの冬。




けれどフィンランドの冬といえばクリスマス!11月の終わりからもうみんな気分はHyvaa joulua(Merry Christmas)です。私は幸運にも学校のプログラムでホストファミリーがいるので、一緒にクリスマスをお祝いしました。このFriendship Family Programとてもオススメです。ツリーの飾りつけやフィンランドのクリスマスの伝統、ミルクがゆ(鍋に1粒だけアーモンドが入っていて、当たった人は幸運になれる)を食べ、私は幸運をゲットできないようだけれども、お墓にキャンドルを灯し、教会に行ったりプレゼントをもらったりと人生でおそらく最高のクリスマスを過ごしました。









おわりに
フィンランドの留学生活、少し想像できたでしょうか。穏やかで厳しい自然と寄り添って生きていくフィンランドの暮らしは私にとても合っています。おかげさまで動きがもうワンテンポ遅れたかもしれません。フィンランドの方はとても良くしてくれます。知らない人だって、たとえ英語が喋れなくてもフィン語で喋りかけてくれたり、笑顔をくれたり世話好きでとても優しい人ばかりです。寒くても、物価が高くても人と自然の優しさがあるこの国が大好きです。ここでの留学で得るものは大きいと感じています。その得るものがなんなのか今はわからなくても、今体験しているすべてのことがもっと先の未来でプラスになることは絶対です。今ここにいることができてとても幸せだと感じています。ではみなさん良いお年を、Onnellista Uutta Vuotta kaikille !


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