北京での生活

 こんにちは。今中国の北京工業大学に留学させていただいている文化教育学部国際文化課程(3年)の小松彩織です。まず私が留学しようと思ったきっかけについてですが、私は大学入学前から留学になんとなく興味があり、積極的に活動することはなくともぼんやりと留学について考えていました。そんな中、長期留学に踏み切ることができたのはSUSAPの香港中文大学プログラムに参加させていただいたことが大きかったと思います。このプログラムはあまり海外に行ったことがない、でも留学に興味はあるという人向けのプログラムで、香港中文大学で日本語を学ぶ学生が一緒に行動してくれたり、引率の先生がいてくださったり、かなり参加しやすいプログラムとなっています。留学に興味があるといいながらも海外旅行すら行く機会がないまま大学生まで過ごしてきた私に合っており、とてもいい経験をさせていただきました。だから今留学を迷っている方がいらっしゃったら、とりあえずSUSAPの短期留学プログラムに参加するのもいいと思います。内容も学ぶというよりは観光に近く、基本教養の単位にもなるのでとてもおすすめです。またこのプログラムについて他の人に紹介する中で長期留学を終えて佐賀大学に戻ってこられた方のお話を伺う機会もあり、より詳しく留学について知ることができたのも長期留学に踏み出す一つのきっかけになったと思っています。

 次に留学準備についてですが、私の場合語学に関しての準備が全く足りていなかったという点では少し後悔しています。留学するために動き出したのが出発(2月)の約7か月前(8月)で、それから留学の条件であるHSK2級を目指して勉強を始めました。実は私はもともと佐賀大学ではフランス語を第二外国語として選択しており、中国語は全く触れたことがありませんでした。そのため一からの勉強となったのですが、私はHSK1のテキストを見てこれはなんとなく意味が理解できるし時間もないからととりあえずで飛ばしてしまいました。そのため基礎が全くなく、HSK2級には合格できたもののこちらにきてから授業がわからず最初の頃はとても苦労しました(今はクラスを変え、中国語を全く、もしくはあまり勉強したことがない人と一緒に勉強しているので授業についていけなくて困ることはありません)また英語に関しても大学に入ってからまともに勉強しておらず、留学を決意してからも中国語の勉強を中心にやったため単語などの知識すらないままでた。特に英語を使ってコミュニケーションをとるということに関しては全くと言っていいほど経験がなく、なかなか話しても伝わらないことがあり今でもかなりコンプレックスです。しかしクラスの人はみんな同じように中国語を勉強している人ばかりで、他の留学生も度合いは違えども多少は中国語をやっている人がかなりいるので、最近は英語で話しかけられても中国語が先に出てくれば中国語で返しています。理想としては英語で話しかけられたら英語で、中国語で話しかけられたら中国語でばっちり返事できることですが、まだどちらもつたないので焦らずにやっていこうと思います。


なぜか枝(?)に刺さっているトマト
国際日で日本について紹介しました
   
こちらに来てからの生活ですが、最初は誰がどこの国に行ってもそうだと思いますが、私もいろいろと苦労しました。私は特に最初に一学期分の家賃を払わねばならず予想以上にお金がかかった点できつい思いをしました。ある程度滞納しても許してはもらえるのですが、数日に一回部屋のカードキーが使えなくなり、家賃をせっつかれるのでたいへん心苦しかったです。最近では基本的に生活も順調で授業も中国語だけと比較的少ないので勉強以外の部分も満喫しています。先にも書きましたが授業は一番初級のクラスで基礎の基礎から学んでおり、最初はこの調子で中国語を話せるようになるのだろうかと少し心配でした。しかし今は本当に少しですが市場や食堂の人と会話したり、中国人学生と中国語で会話したりできるようになり、成長を感じています。また成長と同時に少し北京の方言もついてきている気がします。授業以外の時間は北京市内を観光したり、中国人学生と一緒に勉強したり、料理したりして過ごしています。北京市とはいっても日本で言えば四国くらいの広さがあり、観光場所は探せば探すだけ出てくるのでこちらに来て三ヶ月たった今でもまだまだ観光し足りないくらいです。中国人学生と勉強するのは、より実践的な中国語を身に付けるのに役立っています。特に中国語の発音は難しいため自分ではなかなか勉強できず、授業でも一人一人の発音をきちんと直すことは時間の都合上厳しいのでとても助かります。一人一人の学習進度を理解し外国人の話す中国語になれている先生方とは違い、きちんと発音しなければ伝わらないことも多々あるのでちょっとした出来事を伝えるのにも時間がかかりますが、言いたいことを理解してもらえた時はとても達成感があります。また、一緒に勉強する際に日本についてきかれることがあるのですが、いろいろと質問されて私は日本のことすらあまり知らないのだと実感することもあります。たとえば中国人で日本に旅行に行く人に移動手段や旅行日程について質問されてもあまり答えられない、他の国の人は日本の有名なドラマを見たことがあるが私は見たことがないなどです。下手すると日本文化に興味を持っている外国人のほうが私より詳しいので日本についてもっと知りたいと思うようになりました。その他にも運動会の開会式で浴衣を着たり国際日で日本の料理や遊びを紹介したりするなど、逆に日本文化を学ぶいい機会となっています。
北海公園にある建物

北京の短い春
 最後に、私は留学したことにより自分の足りていない部分や知らないことの多さに落ち込んだり劣等感を感じたり、もっと頑張っておけばよかったと後悔することもたくさんありましたが、同時に楽しいことや達成感を得られることもたくさんあります。また、自分は何ができていないのか、できるようになるためにはどうするべきかがこちらに来てよりわかりました。語学以外の面でもいろんな人との繋がりができたり中国で実際に生活することで理解を深めたりできました。とはいってもまだ中国に来て三ヶ月なのでこれからより濃く北京や他国について知っていきたいと思っています。これを読んでいる方の中にはまだ留学しようかと迷っている方もいるでしょうが、私は迷っているならとりあえずやってみるというのもありだと思います。その結果辛いこと楽しいこととあるはずですが、きっと自分自身を成長させることができると思います。

コメント