中国での留学生活


皆さん、こんにちは。経済学部経済法学科3年の古賀尚大と申します。私は現在、中国の杭州にある浙江科技学院に、交換留学生として来ています。8月中旬にこちらに来て、来年の1月末まで、約半年間の滞在予定です。実際に学期が始まってから2カ月も経たない程度で、私が皆さんにお伝えできることは微々たるものかもしれませんが、このツナガル留学日記を通して、留学についてのイメージの幅を少しでも広げて頂けると幸いです。今回は、留学に至るまで(動機)、こちらでの生活(授業)という点に重きを置いて皆さんにお伝えします。


<留学に至るまで>

私は、今回の留学に至るまで日本を出たことがなく、パスポートも今回作ったものが初めてです。交換留学をされる方、された方の多くは、SUSAPの経験があるかと思いますが、私はSUSAPどころか、海外旅行の経験もなく、海外というものに対して、非常に経験値の低い状態であったわけです。
 そんな私ですが、「学生のうちに留学を経験したい」という思いは、大学入学前からありました。留学という、日本とは異なる環境、価値観、視点で、長期間刺激を受けることができるせっかくの機会を、比較的時間の余裕がある学生のうちに利用したかったからです。ただ私の場合は、将来の夢につながる具体的な目標があったわけではありません。日本から出た視点でものごとを見つめてみたとき、同じものであってもどう見え方が違うのか、その点について学んでみたいという漠然とした興味からくるものが大きかったです。
私は留学に興味はあったものの、なかなか行動に移せませんでした。躊躇いがあったのです。そうしている内に2年の前期も終わりに差し掛かる頃となりました。4年で卒業する気しかなかった私にとっては、次の留学(3年の夏出発)が最後のチャンスだと漸く動くことが出来、今交換留学を実現しています。短期では物足りなさを感じてしまうだろうからと、留学するなら少なくとも半年はしたいと予てから考えていた私ですが、1年間の留学ではなく、半期の留学を選択したのは、就活と時期が重なってしまうためです。半期の留学は実現しましたが、決断が遅く2学期間の留学が叶わなかったことは、私の反省点です。
留学が決まってからは、テスト期間中であったこともあり、提出書類やビザ、クレジットカードやケータイの手続きなどで忙しかったことをよく覚えています。ビザ取得に必要な書類はギリギリに送られ、出発できる状態となったのも出発の5日ほど前で、本当に間に合うのかと何度も不安になったものです。


【図書館の屋上から撮影したキャンパス】

<中国での留学生活>


 先述したように、私は現在中国に留学しているわけですが、授業は英語で受けています。TOEFLのスコアで留学の条件を満たし、中国語は全く出来ない状態での留学でした。
浙江科技学院には1,700を超える数の留学生が在籍しており、アフリカ、ドイツ、ロシア、ウズベキスタン、イタリアと多くの国から留学生が来ています。日本人は私以外いないので、周りと嫌でも英語でしかコミュニケーションを取ることが出来ない環境です。相手の言っていることが分からなかったり、言いたいことが言えなかったりと悔しい思いもしますが、こういった悔しさを、残りの日々でなくしていけるよう、努力します。

【カンボジア人、ウズベキスタン人の友人、その場で仲良くなった中国人の子どもとバスケットボールをしたとき】

・授業

 授業は①「Elementary Chinese ListeningSpeaking」という基礎的な中国語の授業を1つと、
②「China’s International Trade Practice」③「Consumer Behavior」④「International Economic Law」という3つの学部の授業、計4つを履修しています。時間割は以下の通りで、一回の授業が45分×2or3、間に5分間の休憩という形式です。



(月) 1330 ~ 1505 …①
(火) 0950 ~ 1215 …②
(水) 0950 ~ 1215 …③ / 1520 ~ 1655 …④
(木) 0800 ~ 0935 …①
(金) 0800 ~ 0935 …④


【時間割】

 こちらの授業を受けていて何よりも感じるのは、ディスカッションの機会が多いということです。日本で授業を受けていてもディスカッションの機会はありますが、行われる頻度に圧倒的な差があります。また、生徒の発表や質問が多いということも大きな違いです。分からないことや良いアイデアは皆でシェアしよう、という姿勢が常にあるように思えます。

 

・生活面

 私は現在、一カ月400元(約7,000円)の寮にロシア人と二人で住んでいます。電気代は別ですが、30元で一カ月ちょっと持つくらいで、非常に安いです。

【ルームメイトのRadickと】
 中国のものは何でも安いので、生活費は安く済みます。食費でいうと、自炊を全くしなくても、一カ月16,000円ほどです。おいしい食べ物が多く、安いうえに量もあるので、満足感があります。ただし、生野菜がなかなか摂れず、味付けが濃いものや油っこいものが多いため、頻繁に和食が恋しくなります。

中国と聞くと、多くの人が思い浮かべることが「PM2.5や黄砂など、空気は大丈夫なのか?」ということだと思います。確かに、空気がきれいだと感じることはありませんが、私がこちらに来てから空気に悩まされたことは一度もありません。
ただ何より大変なのは「通信状況の悪さ」です。中国では、ネットを介す際に厳しい通信規制がかかります。Wi-Fiはあってないようなもので、日本でも広く使用されているInstagramFacebookGoogleなどはVPNVirtual Personal Network)を繋がなければ使えませんし、繋がったからと言って不自由なく使えるわけでもありません。また、今まで使えていたVPNに規制がかけられ、急に使えなくなるという事態も起こります。何にどの程度の規制がかけられるかは日々変化しますので、中国への留学を視野に入れている方は、そういった点に関して耐性が必要だということを念頭に置いて頂きたいです。

【上海に行った際に撮影したもの】


<最後に>

 楽しくて仕方なく、帰国するのが嫌だと毎日のように思う留学もあれば、何かしらの壁にぶつかり、つらい思いを日々経験する留学もあり、多様な留学の形が存在します。どのような留学になるのか、その価値の大きさは、内的・外的要因で違ってくるかと思いますし、どれが正解かとも言えません。しかし確実に言えることは、これまでとは違った環境に身を置く経験は、誰にとっても非常に大きな財産になるということです。留学中は、得る情報も、常識や求められる行動も異なります。違った環境に適応する力が求められます。こうした力を身に着ける機会は、日本ではなかなか手に入れられません。なぜなら、日本にいても変わる必要がないから、変わらなくても普通に生活はできるからです。これまでの自分とは変わる機会、成長する機会を十分に与えてくれるという点、ここに留学の大きな価値があります。
皆さんの中には、留学に躊躇いがあり、行動出来ていない方もいるかと思います。もしその躊躇っている理由が、勇気が出ないという類のものなら、それはとてももったいないです。行動した期間は後に活きてきますが、何も行動しなかった期間は活きてきません。留学出来ているのだから有難いことだとは思いつつも、私の決断が遅く、半期の留学となったことには多少後悔の念がありますので、皆さんには早くから情報を集め、後悔のない留学準備をして頂きたいです。
皆さんにとって、私のツナガル留学日記が、留学について少しでも考える助けになったでしょうか?最後まで読んで頂きありがとうございました。










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