微笑みの国“タイ王国”からの留学日記


สวัสดีค่ะ(サワディーカー)! こんにちは!
私は、農学部応用生物科学科2年生の松尾咲弥佳です。現在、タイ王国の首都バンコクにあるカセサート大学に1学期の間留学をしています。日本は朝夕が冷え込み、秋が深まってきた頃と思いますが、タイは、毎日30度を超す猛暑が続いてます。さて、私が留学しているカセサート大学のカセサートとは、タイ語で農学を意味します。その名前の通り、農学で有名な学校です。カセサート大学の農学部では、インターナショナルコースが開講されており、在学生のタイ人と留学生が一緒の授業を受けることができます。このツナガル留学日記を通して、農学部だからと言って留学を諦めている方、長期留学をするか迷っている方のお役に少しでもたてたら幸いです。

【大学のキャンパスでお気に入りの場所】

◇留学の動機と経緯◇

 

 私が海外に憧れを抱き始めたのは小学生の頃でした。その当時の理由は、なんとなく外の世界を見てみたいという漠然としたものでした。英語を学んでいくうちに、英語は、世界公用語であり、英語が話せると日本人だけでなくいろいろな国の人と交流ができ、自分の視野を広げられることに気づきました。もっと英語を勉強して多くの人と交流したい。そんな思いが日に日に強くなっていきました。そんなある日、海外に行くチャンスがきました。最初は英会話教室の海外研修でアメリカへ、次は、高校の修学旅行でベトナムとカンボジアに行きました。先進国と発展途上国の国へ行ったのですが、私の心に残っているのは、カンボジアとベトナムです。海外へ行った経験から、将来は発展途上国の発達、特に日本と交流の深いアジアの国と関わる仕事に就きたいと思うようになりました。しかし、留学先を考えていると、“海外留学=先進国”という考えがあり、最初に思い浮かんだのは、アメリカやオーストラリアなどの先進国でしたが、発展途上国の現状を知りたいと言う思いがあり、佐賀大学と提携しているタイのカセサート大学を選びました。そして、私が2年生で留学しようと思った理由は、研究室を決める前に様々な体験を通して見聞を広げたかったからです。農学部からの長期留学は、難しいといわれ、諦めそうになった事もありましたが、この留学が実現し心から嬉しく思います。自分で決めた留学先でしたが、留学が決まった後もタイという国に行くことに自分の中でも不安がありました。皆さんは、タイについて、どんなイメージを持っていますか?これから、私のタイでの生活について紹介したいと思います。



【チェンマイに行ったときの写真】


【アユタヤに行ったときの写真】


◇大学の授業や生活について◇

 

 授業は週に4コマとっています。日本と違い、1コマ3時間の授業です。留学当初は集中力が持たず、授業は英語で行われるため慣れるまでは大変でしたが、徐々に慣れていきました。授業はパワーポイント形式で、多いときで、スライドが150枚以上あることもあります。毎週テストのある授業や、授業の終わりにグループに分かれて授業内容をまとめてポスターをつくり発表する授業、ある単元が終わるごとにさらに理解を深めるために単元ごとにパワーポイントを作成し発表する授業、国ごとに分かれてその国の農業について交流する授業がある他、実際にフィールドワークに出かける事もあります。英語で授業を理解する事は難しく、専門用語が多く使われ、授業後は、復習に追われています。テストは、中間テストと期末テストに分かれています。テストの形式は4択問題、記述式などがあります。特に大変なテストは、2時間の試験時間で14枚の記述問題がでたことでした。テスト勉強や授業の復習は仲の良いインドネシアの友達としています。お互いに勉強を教えあったり、自分の国の農業やそれから発展して農業だけでなく国の現状や問題を語り合ったりしています。自分の意見を英語で伝えたり説明したりすることは難しく、また、自分の知識不足のところも多くあり、多くの刺激をもらっています。これが私の活力となっています。大学の国際課のイベントにも積極的に参加しています。例えば、9月にあったFood Festival では、日本食を販売したり、浴衣を着て日本の文化を紹介したりし、11月には、ローイクラトンづくりに参加しました。ローイクラトンとは、陰暦の12月にあたる11月の満月の夜にタイで毎年開かれるお祭りです。農業の収穫に感謝をし、水神に祈りをささげるというものです。授業やフィールドワーク、そして、国際課のイベントを通して、タイの農業はもちろん、文化にもふれるこができています。また、タイの大学は、制服なので、現地の大学生と同じ制服を着て、毎日登校しています。


【Food Festival】





【ローイクラトン】


◇授業以外の生活について◇

 

 まず、農学部でよく言われる、“生きていくために必要不可欠な食事”ですが、タイは基本的に外食が多いようで、学校内であれば一食50バーツ(170円)ぐらいで食べることができ、寮の前や至る所に屋台があります。タイの料理は極端に辛いものと甘いものが多く、辛い食べ物が苦手な私は食べられないものもありますが、全般的においしいものが多いです。私のオススメはソムタムです。タイのスーパーでは日本食が販売されていて、セブンイレブンもどこにでもあり、食べ物の心配はありません。夕食はインドネシアの友達と炊飯器を使って料理をしています。炊飯器は、思った以上に万能で、野菜炒め、スープ、スパゲッティなどなど、揚げ物以外なら殆どのものが使えます。もちろん、料理はインドネシアのイスラム教の友達のために毎日ハラル料理です。他の国の人と生活することで、宗教や文化の違いを身をもって体験しています。10月末には前プーミポン国王の葬儀が盛大に行われ、10月の1ヶ月間は有名な寺院は前国王のために閉鎖され、タイ全体が喪に服していました。前国王は農業の発展にも力を入れられており、国民に敬愛されていたことがセレモニーの様子などから感じ取ることができました。それを受けて、葬儀前後は学校が1週間の休みでした。11月も卒業式で2週間の休みがあり、その期間に旅行に行ったり、農業体験をしにいったり、週末は近くのマーケットに行ったりして、勉強以外にも充実した日々を送っています。



【インドネシア大使館へ行ったときの写真】


◇最後に◇

 

 長期留学は短期留学とは違い、大変な事もありますが、その分喜びもたくさんあります。そして、海外で長期間暮らすことで、日本という国、文化、習慣、そして、自分自身を客観的に見つめる良い機会となると思います。また、当たり前だと思っていた事が当たり前じゃない事。そして、全ての事が当たり前という事はないということを改めて実感しました。例え国同士の仲が悪くても、私たちの人との結びつきには関係がありません。言語、文化、習慣、価値観の違いをお互いに理解し尊重しあうことが大切な事だと留学をして改めて実感しました。留学をサポートしてくださった、大学の先生、スタッフの皆さん、そして、家族や友達に感謝の気持ちでいっぱいです。残り少ない期間ですが、精一杯頑張り、成長して帰国したいと思います。
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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