Ma Vie à Orleans



 Coucou! みなさんこんにちは。フランスに留学中の文化教育学部国際文化課程欧米文化専修4年福島由香です。
今年の9月から12月までの1学期の交換留学生として、オルレアン大学に通っています。
オルレアンは、みなさんご存知のジャンヌ・ダルクで有名な、歴史の香り豊かな街です。

○ 留学を決めるまで ○

 ちょうど1年前の今頃、この交換留学の募集期間でした。
当時の私は就職活動や卒論制作を控え、部活動やアルバイトに打ち込んでいました。幼い頃よりフランスとは縁があり、大学に入学した頃から留学に関心はありましたが、いつも踏み出せず、3年生も終盤を迎えていました。

そんな私が留学に踏み切ることができたのは、友人の励ましのお陰です。
大学生の最後の1年間、できなかったことをやろう、社会に出てから後悔したくないという思いがあり、半ば自分自身を急かすように留学を決めました。また、卒業論文に西洋美術をテーマにしていたので、留学をすることで行きたい土地や美術館に足を運べるという希望もあり、フランスへの留学を決断しました。
  
2月に部活の代替わり行事を終え、3月からは本格的に就職活動を始めました。
それと並行するように、留学に必要な準備を進めていきました。就職活動も落ち着いてくると、次は卒論構成にシフトチェンジしました。
バタバタの日々でしたが、先生方や家族、友人の支えが励みになりました。オルレアン大学のサイトの入力、住居の申請、そして学生ビザの申請は最も面倒でしたが、無事にパスポートを受け取り、フランスへ旅立つことができました。


○ 学校の生活 ○

 オルレアン大学にはフランス語学院(Institut De Francais)が備わっており、私はそこの学生として勉強しています。
クラスはA1からB2まで分けられ、学期が始まる前に生徒たちはクラス分けのテストを受けます。私はA1-2です。

 クラス内には日本人学生が5人と多く(3年生の富吉さんも一緒です)、他に韓国、ベトナム、アメリカ、ブラジル、ロシア、オーストラリアなど国籍も様々で、年齢も幅広いです。子持ちのお父さんも一緒に授業を受けています。
 オーラル、筆記、文化や歴史、地理について週に12コマの授業で進んでいきます。たまに校外学習もあり、オルレアン中心部の美術館や、カテドラルと呼ばれる大聖堂の見学もあり、毎日充実した内容の授業です。

授業は全てフランス語を使って進められていきますが、他の学生と話すとき、フランス語で通じないことはしばしば。そんな時は英語で補いながらコミュニケーションを図っています。 
 


 

 

○ 街の様子 ○

 オルレアンの街の中には、トラムという路面電車のような交通機関が整備されています。私の暮らしている寮は、近くにトラムの駅があり、学校まで徒歩3分、スーパーも歩いて1分のところにあります。自分の部屋はきちんとありますが、共用のキッチン、バストイレがついています。たまに廊下を歩いているとお風呂上がりの男の子が裸にタオルを巻いただけの姿で普通に歩いています。最初は驚きましたがもう慣れました。

 留学生活で一番初めに日本と違うと感じたことは、コンビニがないことです。また、宗教の関係で日曜日はほとんどのお店が閉まっています。みんな何をしているのだろう、と不思議に感じるくらい、日曜の通りは本当に静かです。部屋にいても暇なので、ジョギングをしたり散歩をしたり、ゆっくりとした1日を過ごすことができます。日曜日にお店が閉まっていることは確かに不便ですが、時間に追われる日本の生活を見直すきっかけにもなりました。


○ 友人関係について ○

 毎週末、金曜日になるとフランス人の学生たちは家族と過ごす為に実家に帰省をします。家族を大切にする文化の表れだと思います。金曜の夜はほとんどの学生がいなくなるので、パーティーや飲み会は、たいてい木曜の夜行われます。その他ボウリングやアイススケートをして遊ぶ人たちもいて、先日初めてのアイススケートを体験しました。

 オルレアン大学には日本語学科があり、日本語を学ぶフランス人学生も多いです。ここでできた友達のほとんどは、日本語学科の学生です。宿題で困った時、授業でわからないところなどみんな親身になって教えてくれます。友達として、時には生徒、先生として言語交換をしながらコミュニケーションをとることができ、とても面白いです。授業では習わない、おしゃべりに使うような表現もたくさん教えてもらっています。

  

 私はどれか一つの言語が得意な訳ではありませんでした。しかし、フランスで生活していくにあたり、生きていくための道具として外国語を意識するようになりました。
友達とコミュニケーションを取るとき、旅先で道を尋ねるときなど、咄嗟の場面で言語という手段は必要になります。

 留学では、言語の力も向上すると思いますが、同時に1人で生きていく力も身に着くと感じています。日本での私は、どちらかというと積極的に発言するタイプではありませんでした。人の意見に流されることもよくありました。
 日本人は空気を読み、言葉にせずとも相手の気持ちを汲むという文化を持っています。しかし外国では、自分の意見を示すことが求められます。これはフランスに限りません。

異文化間のコミュニケーションで大切なことは、自分の意見を持ち、それを相手に伝えることだと思います。断ることが苦手な性格でしたが、ここでの暮らしの中で、自分の意見を示すことができるようになったのではないかと思います。




 最後に 

 4年の前半を留学、冬に帰ってきてそのまま来春卒業する、というタイプの学生は少ないと思います。もちろん私はレアなケースです。同じ時期に別々のやることがたくさんあり、確かに大変でしたが、結局は自分の決めたことです。この時期に承諾してくれた家族や応援してくれる友人、支えてくれる周りの人たちを思うと、気持ちを強く持つことができました。また、フランス映画を観たり、留学先の生活をイメージしたりすることで、モチベーションを高めるように心がけました。

 留学に行きたいと思ったら、その瞬間に行動を起こすことをお勧めします。
大学生活は人生の夏休みとよく言われます。その通りです。人生の中のほんの一瞬、あっという間の学生生活、充実したものにする為に、後悔しない選択をしてください。 

Le temps c’est de l’argent!

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