ムーミンからのお便り


教育学研究科教科教育専攻英語教育専修3年 河野 翔太


Moi (こんにちは)。現在フィンランドのユバスキュラ大学に留学中の河野翔太です。フィンランドを留学先にした理由は、フィンランドの教育を学びたいと考えたからです。まずは、フィンランドについて紹介したいと思います。

  



【森と湖の国 フィンランドとは?】


フィンランドの人口は550万人で総面積は日本よりやや大きいです。公用語はフィンランド語とスウェーデン語(全人口の5.4%)です。国境は、ロシア、スウェーデン、ノルウェーと接しています。通貨は、ユーロ(1ユーロ=1331127日現在)です。フィンランドは、森林に囲まれていて国土の約3分の2が森林です。国土の約1割が水域で世界一の湖の数を誇ります。水道水は、そのまま飲むことができます。また、冬場は、日照時間がかなり短いです。11月で午前8時半に日が昇り、午後3時には日が沈み夜になります。治安が日本と同じくらいいいと思います。

【フィンランドの国旗】

 
【ユバスキュラ湖】

  

【ブルーベリー狩り】



フィンランドは、教育が有名な国です。国際学力比較調査の「PISA」で常に上位にランクインしています。フィンランドは、大学まで教育が基本的に無償(学費・教材費)で受けられます。その為、消費税20%(食品12%)や所得税20%以上かけられています。少人数教育で授業が行われています。科目は、小学校から選択式で英語の他に第三言語(スウェーデン語・スペイン語等)も学べるみたいです。テーマ別(phenomenon-based learning)教育も行われています。テーマ別教育とは、テーマを設定して教科の垣根を超えて学習する教育方法です。例えば、「日本」というテーマを設定して地理、歴史、政治、経済、文化、言語的な観点から教科に関係なく学習することです。教師は、非常に人気の職業の一つで、小学校の教師から修士課程を修了することが必修となっており、教師の質が非常に高いです。英語の教科書を見た際、小学生で日本の中学3年生がやる内容をやっていたり、中学生で日本の高校生がやる内容をやっていました。小学生から扱う文章の長さ(本文15行以上)に驚きました。教科書の本文は、説明文や論説文ではなく会話文を中心とした実用的(例、就職面接など)なものが多かったです。





【留学について】


前回のカナダのマニトバ大学でのツナガル留学日記で留学前の事や英語の試験については書いたので、英語の試験や奨学金等についてはそちらをお読み頂ければと思います。

留学前のフィンランドとカナダの大きな違いとして、ビザ申請の仕方が大きく異なるのでそのことだけ触れたいと思います。カナダは、基本的にオンライン申請で費用(約15千円)もそこまでかかりません。しかし、フィンランドのビザ申請は、費用(約4万円)が高く、その上、日本の東京にある大使館で指紋登録と簡単な面接を受けなければいけません。


授業に関しては、言語教育と教育に関するものと研究手法に関するものを6科目受講しました。受講するコースや単位数は、留学生が自由に設定することができます。交換留学生のメリットとして、教育学部では大学院レベルの授業も受講することができることだと思います。その分難易度も上がりますが、大学院進学を考えている方には体験としておススメです。(学部や授業によっては取れない場合もあるかもしれません。)ユバスキュラ大学は、学部生から自立した研究者を育てることを教育理念にしているので、英語の論文を予習で読むことやその論文についての授業内でディスカションが当然のようにあります。現地の学生は、ヨーロッパ(チェコ共和国、ドイツ、スペイン、イタリア、ポーランドなど)、アジア(日本、中国、ベトナム、韓国など)、ロシアなど様々な国から来ています。アジアよりもヨーロッパ系の学生が多い印象です。


【夜景と日本語サークル】

 

【大学側花と湖】

【現地の生活】


フィンランドは母国語を大切にする国です。そこで、スーパーなどでは基本的に英語表記はなくフィンランド語表記しかありません。これは、慣れるまで大変でした。物価は、基本的に日本より高いと思います。フィンランドでは、リサイクルショップが多くあり、運がよければ格安で欲しいものを手に入れることができます。日本食については、高いですが、日本米、みりん、わさび、しょうゆは普通のスーパーでも買うことができます。他のものはアジアンスーパーマーケットに行けば買うことができます。しかし、ものすごく高いです。例えば焼き肉のたれが700円します。ユバスキュラには、日本食レストラン(寿司メイン)が1-2店舗あるみたいです。ヘルシンキに行けば、他の日本食も食べられるみたいです。
 
 外食は高いので基本的に自炊か学食(350円前後)を利用しています。学食の魅力は、生野菜が食べられることと日替わりでメニューが変わることです。食堂は複数あり、食堂ごとに日替わりのメニューが違います。


【学食メニュー】


【インターナショナルディナー】



【フィンランドディナー】


【シナモンロール作り】





  現地の移動手段として、バス、自転車、徒歩があります。佐賀大学程ではありませんが、学内には多くの自転車を見ることができます。私は1学期だけの留学だったので、パンク修理無料でメンテナンス付きのレンタルバイク(90ユーロ=12千円前後)を利用しています。一年以上の方は自転車を購入するのもありだと思います。自転車はチェーン凍結の関係から右側のブレーキはなくペダルを逆に回すフットブレーキが主流みたいです。慣れるまでに時間がかかりました。


  住まいは、10以上棟が点在している学生の村のような寮にロシア人とルームシェアしています。家賃は家具付きで251ユーロ(34千円前後)に住んでいます。建物自体はかなり古いですが、食器、冷蔵庫、ケトル、本格的なオーブンが備えつけてあり、部屋の中は机と椅子、テーブル、収納スペースも多々あり暮らしやすい環境になっています。スーパーとリサイクルショップが近くにありとても便利です。洗濯機と乾燥機がオンラインの予約制かつ無料で使えるのは地味ありがたいです。フィンランドはサウナ文化で、棟にいくつものサウナがあります。私も友人と飲み物(ビールを持っている人が多かったです)を持ってサウナに入りました。サウナ室の隣に外の湖と森を見ることができる場所があるので、サウナの休憩で外の景色を眺めるのは最高でした。サウナの後に、湖に飛び込み、そしてまたサウナに入るという体験もできました。



【部屋】



【最後に】


フィンランド文化は、日本文化と共通する部分があります。例えば、フィンランド人は私たち日本人同じく沈黙が嫌いではない文化です。会話も相づちや短い返しだけで会話が成立しています。そういった面からもフィンランドは留学しやすい国だと思います。フィンランドの魅力についてまだまだ書ききれていない面がありますが、少しの間お付き合い頂きありがとうございました。

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