アメリカ留学日記


こんにちは!農学部応用生物科学科二年の川久保修佑です。現在アメリカのペンシルバニア州にあるスリッパリーロック大学に留学中です。2セメスターの留学生活も半分が終わり、現在5週間の冬休み中でニューヨーク、ボストン、アラスカの旅の途中です。留学生活も折り返しの時期となり生活にもだいぶ慣れてきたところで僕が皆さんに伝えたいことを書きたいと思います。


授業について


 我々は留学生の中でも交換留学生という扱いなので本来は一年生向け、二年生向けというようにレベル分けされていますが基本的には好きな授業を履修することができます(僕の友人は来学期に大学院生向けの授業を取るといっていました)。
 クラススケジュールは日本のものとは大きく異なり、簡単に説明すると、月水金に開講される授業と火木に開講される授業と大きく二つあり、例えば月曜の八時の授業をとれば同じ授業が水曜と金曜の八時にもある、といった感じです。僕が前回のセメスターで取っていたのは Critical Writing, Principles of Biology, Genetics, Medical Microbiology の4つですが前述した通り、これらの授業は週に2回3回開講され、またCritical Writing以外の授業はレクチャーに加えてラボもあり僕の場合は火曜と木曜の午後に2時間半のラボと水曜と金曜の午後に50分のラボがあったので非常に忙しい毎日を送っていました。
 授業の構成も日本のものとはある意味異なり(ありがたいことに)先生たちは毎週僕たちにとてつもない量のレポート課題、論文のリーディング課題を出し最終試験に加え毎週の小テストと計3回の中間テストがあり、授業についていくためにほぼ毎日12時まで勉強していたので本当に日本にいたときには考えられないくらい勉強しました。しかし、現地の学生も毎日夜遅くまで勉強していて図書館や自習室は常に人でいっぱいだったので、つらいと思うことはあまりありませんでした。また一年生向けのクラスからフォーマットに従った科学論文の書き方の指導や積極的なラボ実習があり、自立して勉強をする習慣がつきます。ラボではチームやパートナーとともに課題を進めるためディスカッションなどを通してより専門的な英語力も身についてきます。次のセメスターでは専門科目に加え Leadership Theory という日本ではあまり聞きなれないミリタリーによる授業を履修します。日本では取れない授業をとれるということも留学の利点の一つです。


留学生歓迎会


大学生活


 僕は大学内の寮に三人のアメリカ人とともに住んでいて、僕の寮にアジア人は僕だけです。食事のほとんどは大学内のカフェテリアがほとんどですが時々友達と外食に行きます。気候面は比較的快適ですが冬はかなり冷え込み雪も降るのでキャンパスは真っ白になります。大学の位置するスリッパリーロックは美しい自然で囲まれた静かな学研都市です。留学生の数は数えたことがないのでわかりませんが非常に多く、世界中からきています。またこれは大学内だけに限ったことではありませんが、アメリカは外国人であふれているのでマイノリティを感じることはあまりありません。むしろ自分と同じような境遇の人が大勢いるので多くの人と仲良くなれます。

Internations Dinner

 アメリカは長い歴史を持った国ではないので長年続いた伝統を重んじるというよりは多くの文化を受け入れているため様々な文化で成り立っているというように感じます。実際に僕のホストファミリーはみなアメリカ人ですがホストファーザーはスコットランドとのクォーター、ホストマザーはポーランドとリトアニアのクォーターで、彼らの友人がイタリア人のクォーターだったのでクリスマスはFeast of the Seven Fishesというイタリアンアメリカンのクリスマスパーティーで祝いました。様々な文化でできているアメリカでの異文化交流というのは非常に刺激的で魅力的なことだと思います。


ホストファミリーとのThanksgiving Party


その他の大学生活


 スリッパリーロック大学は佐賀大学と深いつながりがあり毎年佐賀大学から交換留学生が来ておりスリッパリーロック大学からも多くの留学生が佐賀大学に来ています。また Immersion Program という短期留学プログラムがあり、多くの学生がその機会において交流しているため意外なことに佐賀大学の知名度はある程度あります。僕もそのプログラムの参加者の一人であったために留学する前から多くの友人がいました。その時のご縁もあってアルバイトとして日本語の授業のお手伝いもさせていただいています。日本に興味のある学生との交流はとても興味深く、時に僕よりも詳しい知識を持っているので驚かされます。また留学後もこのつながりは続いていくのでそれにかかわっていくことは大きな喜びです。




ピッツバーグでの留学生オリエンテーション

留学を目指している皆さんへ


 この記事を読んでいる皆さんの中にはもう留学が決定している人や、留学を目指す決心をしている人も少なくないと思います。皆さんにアドバイスできることはとにかく準備が大切だということです。まず英語力に関してはTOEFLのスコアが基準に達していたとしても、それは海外で十分に大学の授業を理解できるということでは決してありませんし、僕もはじめはかなり苦戦しました。英語の勉強は十分にして損することはありません。
 また自分が行く先の地については入念な下調べをしておくべきだと思います。というのは、例えばアメリカでは州によって細かく法律や税率が決まっており知っておかないと大変なことになるというのももちろんのことですが、それは当然のことでむしろその土地の歴史や産業や観光について予習しておくべきだと思います。留学生活では英語や専門の勉強も大事ですが、日本を離れて生活しているのでその土地のことを身をもって学べますし観光などそこでしかできないことを通して歴史や文化を学ぶことも大事な要素の一つです。
 一年間の留学と聞くと長いと感じる人もいると思いますが実際には一瞬で過ぎていきます。貴重な時間を無駄にしないためにも留学先で何をしたいのか具体的なビジョンをもってのぞむことをおすすめします。また、もしまだ留学をためらっている人がいるならその人には留学に挑戦すること強くおすすめします。そしてその決断は早いほどいいです。僕も大学二年で出発したので早い時期だと思いますし、実際にアメリカに来ている留学生の中でも僕は若いほうですが、時間が経つとともに自由が利かなくなることも事実で、色々なことを体験できるのは若い時期ですし考え方も広がります。また僕の場合は農学部からの留学だったので研究が忙しくなる前での留学は正解だったと思います。そして僕のようにぜひ理系からの留学生が多く出てほしいと感じています。僕の友人が英語はあくまでもツールでしかないと言っていましたが全くその通りで英語が話せるというアドバンテージよりも、英語を使いこなすことでさらに自分の分野で活躍できるというのが望ましい姿であると思います。



最後に

 最後になりますが僕の留学は人生の中でも大きな決断でしたが自信をもって正しい決断だったと言えます。毎日新しいことを学んで、これから一生関わっていくだろう素敵な人達にも恵まれ、楽しくて仕方ありません。僕の友人は五か国語を使いこなすような人もいて特に留学生はモチベーションが高い人が多いのでいつも刺激を受けています。つらいことがあるのも事実ですがそれらをすべてプラスに変えられることがもっと大きな学びにもつながりますし、向上心を高く持っておくことが実際に僕が常に思っていることです。皆さんも実り多い留学生活をされることを祈っています。

コメント

  1. That was nice experiences.
    Thanks for sharing the valuable tips.
    Best of luck...

    返信削除

コメントを投稿