フィンランドが教えてくれた幸せのあり方



こんにちは、現在フィンランドのユバスキュラ大学に交換留学中の文化教育学部4年、長尾冴子です。フィンランドはその国自体ではスオミと呼ばれており、森と湖を意味するそうです。その名の通り、私が住む家のすぐ側に湖が広がっています。今は全てが雪と氷におおわれていますが、それもまた神秘的で私にとって大切な場所になっています。

 今回は私が留学をしようと思ったきっかけやフィンランドの教育、フィンランドでの暮らしを通して考えたことをお伝えします。


近所のmylly湖

野生のラズベリー 誰でも自由に収穫していい



【フィンランド留学のきっかけ】


私がフィンランドに行きたいと思った一番の理由は「教育」です。留学のちょうど一年前、私は教育視察ツアーに参加してフィンランドを訪れました。驚きで連続だった中一番驚いたのが「英語のスキルの高さ」でした。小学生でもポロポロと英語を喋り、高校生にまでなると私より遥かに流暢に英語を話します。英語の教師を目指す私としては夢のような国にも感じました。

私がそのツアーから帰国した時、「教師になる人が受けている教育を自分も受けてみたい」と思い交換留学を決意しました。留学を決意した時は既に3年の後期。正直かなり迷いましたが、高校の頃から留学には憧れていましたし何より4年の後期から出発すると「日本で教育実習を経験して他国の教育を見ることができる」という大きなメリットがあると思いました。

 

【フィンランドの学校】


 私は前期の間、大学の附属中学校によく見学に行きました。どの授業も少人数制で、多くて25人。英語の授業ではトーキングが主に行われます。「授業中は人がいないとできないことをする。リーディングやライティングは家でできる」と先生は仰っていました。また、先生たちは子供たちの意見に真剣に耳を傾けます。クラスが騒がしかった時、どうして騒ぐのか先生が生徒に尋ねていました。生徒は授業中に(アクティビティとしての)ゲームが少ないからだと主張した時、教師はそれを大切な一つの意見として受け止めたのです。フィンランドの学校は小学校で2時、中学校でも3時頃に授業が終わります。時間が限られているからこそ「何を教えるべきか」、そして「誰のための教育か」を考えて子供たちに教えているのだと感じました。

 もう一つ、学校訪問に関して驚いたのはその寛容さ。いつ訪問に行っても快く受け入れて下さる上に、時折生徒と一緒にアクティビティに参加させてもらえます。留学生であろうと正規の学生のように扱って「学ぶ権利」を尊重して下さる、とても素敵な環境です。

高校の授業の様子 グループワークやディスカッションが多い

【ポジティブにあきらめる】


 フィンランドにはあまり資源がありません。北国なので食料も輸入に頼っています。しかしこの国の人はないものを嘆くのではなく、それを逆手にとって楽しむのです。校庭のグランドは冬になると凍って走れなくなります。だからそれをスケートリンクに変えてアイスホッケーを楽しむのです。人口の少ないフィンランドでは、テレビ番組やゲームが英語で提供されます。だからこそ英語が自然と楽しみながら身に着くのです。もののないこの国で大切な資源となっているのは「人材」。だからこそこの国の人々はお金と時間をかけて人を育てているのだと感じます。

 大量消費社会の中で生きていた私に「今ある本当に大切なものは何か」。フィンランドでの暮らしの中で考えることができました。


夜明け前のjyväs湖 凍っているためスケートやクロスカントリースキーが無料で楽しめる



【最後に】


 私にとって留学は「自分が幸せになるための一つの手段」だと考えています。今、留学をしようか悩んでいるとしたら、次の質問を自分に問いかけてみてください。

「今、一番困っていることは何ですか」

「その何が問題ですか」

「その問題の原因は何だと思いますか」

「どんな状態になると最高ですか」

「どのようにすれば最高の状態に向かいますか」

「まず何をしますか」

もし、最後3つの質問の中に留学やその要素があったとき、きっと留学があなたの幸せな人生を作る大切な要素になっているはずです。自分の大切な人生と、留学を通して向き合ってみてください。

 長文でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。


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