カナダ ウィルフリッド・ロリエ大学


カナダからの留学日記
【はじめに】
こんにちは。カナダのウィルフリッド・ロリエ大学に9月から1セミスタ―の交換留学で来ている農学研究科1年の手嶋恭子です。カナダに来て2か月が経過し、残りの留学生活もわずかとなってきました。今回は、留学の動機や経緯、学校生活、カナダでの生活についてお話しするとともに、皆様に少しでも有意義な情報を提供できれば幸いです。

【留学の動機・経緯】
 私は大学に入学した当初から、英語圏へ留学に行きたいと思っていました。理由は英語を使える人になりたいという思いと、留学自体が学生生活に於いてとてもいい経験になるだろうというすごくありきたりなものでした。なぜ学部生の時に行かなかったのかというと、単位交換が難しそうだったのと、研究室配属のことがあったので、大学院生になってからの方がよさそうだと思ったからです。私は、研究室配属後から植物と菌根菌や根粒菌と呼ばれる共生菌に関する研究に取り組んでいたのですが、4年生になって留学への準備を始めた時にウィルフリッド・ロリエ大学にもこれらの共生菌の研究を行っている研究室があることを知ました。共生菌に関しては、機能や植物、その他の微生物との関係など多くのことが未解明で、世界中で様々な研究が行われています。そこで、他国ではどの様な視点や方法で共生菌に関する研究を行っているのかを知ることが出来るチャンスであり、知識の幅を広げ自分の研究活動に活かすことが出来るのではないかと思いこの研究室に留学したいと思うようになりました。このことが、私の留学の目的を明確にし、留学に向けた英語学習へのモチベーションを維持することが出来たと思います。
 留学にはTOEFLなどで必要な点数を取らなければいけませんが、大学院で留学するとなると4年生のうちに研究活動や院試、卒論などと並行して勉強しないといけないので、少し大変だと思います。私は、忙しくて全く勉強できない期間が何度かあり、その度に焦っていました。そのため、留学を考えている方には、計画的に英語学習にあてる時間を確保することをお勧めします。

【学校生活】



 研究室は、教授がもうすぐ退職されるとのことで、修士課程と博士課程の方がそれぞれ1名ずつの小規模な研究室です。主にSpanish River CarbonateSRC)というオンタリオ州北部で採取した火山堆積物由来の鉱物の、植物と菌根菌の共生への影響についての研究が行われています。SRCの土壌への添加による共生菌の機能向上や、植物との共生の促進、またそれによる植物成長促進効果などを調べています。SRCについては日本では聞いたことがありませんでしたし、使用する植物や実験方法も日本の自分が所属している研究室とは全く違っていてとても興味深いです。

講義に関しては、➀Research in integrative Bio Plant root mutualisms Introduction to Psychology(専門ではありませんが以前から興味があったので受講しました)の3つを受講しています。
今回は➀と②について軽く紹介したいと思います。まず、➀は大学院生のための概論のような講義で、自分の研究テーマの発表をしたり、Research proposal といって研究計画書の書き方や、ジャーナルに受理されるまでの論文投稿プロセスを学び、実際に研究計画書の作成をしたり論文を読んで査読をしたりしています。研究計画書は10~15ページのしっかりしたものですし、査読する論文も実際の学術論文なのでかなりのページ数があり少々大変です。しかし、大学院生として得ておくべき知識ばかりで、帰国後も役に立つ場面が多々あると思うので受講していて良かったなと思っています。
②では、共生菌の機能に関して、生態学、細胞学など様々な視点から理解を深めています。私は、1年以上共生菌に関する研究に携わっていますが、まだまだ知らないことばかりでこの講義を通してたくさんの新しいことを学んでいます。講義前に論文を読んできて、その内容に関してグループやクラス全体でディスカッションするという形なので、話し合いについていくのが大変な時もありますが、だんだんと慣れて初めに比べたら発言できるようになったのではないかと思います。
ウィルフリッド・ロリエ大学には留学生だけではなく様々な国の生徒がたくさん在籍しているため、私たち留学生を含めた他国からの生徒(International student)へのサポートがとても充実しているなと感じます。アドバイザーとして活動している生徒がたくさんいて、いつでも気軽に相談できる環境が整えられていますし、 ライティングやその他の課題のアドバイスをしてくれるオフィスも利用できます。また、International student間で交流が出来るイベントがたくさん提供されています。

大学の外には緑がたくさんあります



【カナダでの生活】
 私は、大学から歩いて5分ほどのアパートに他の4人の学生と住んでいます。こちらに来る前は、シェアハウスのような生活がどの様なものかとても心配していましたが、ルームメイトはみんなとても親切で明るい方達だったので、すぐに打ち解けて心地よく生活しています。
 休日は、課題をしたり論文を読んだりすることがほとんどですが、たまに留学生の友達と外食をしたりショッピングに行ったりもしています。
カナダで外食すると11215ドルくらいはするので、日本と比較して少し高いかなと思ったのですが、1食分はすごく量が多いので値段の分、増量されている感じです。とても魅力的なのは、もし全部食べ切れなかった場合、多くのレストランで残りを持ち帰るための箱がもらえます。日本ではそのようなサービスはあまり見られないので、お金も食べ物も無駄にせず済むので素敵だなと思いました。

 トロントにて


                
マックのマークのメープルリーフがかわいいです
          

紅葉がとてもきれいです

               

     

【最後に】
 ここまでの2か月を振り返ると、たくさん新しいことを学び、日本ではできないであろう様々な経験をすることが出来たなと思います。また、就職活動への準備で忙しくなる期間での留学だったので少し不安に思っていましたが、日本でのマンネリ化していた生活やコミュニティーから離れての生活によって、良くも悪くも自分の新しい面にたくさん気づくことが出来たので、帰国後の就職活動においてどこかで絶対役立てることが出来ると思っています。留学生活も終わりに近づいてきましたが、残りの期間も研究や授業、友人との交流など貪欲に取り組んで有意義なものにしたいと思います。



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