台湾 国立台北大学


〈はじめに〉大家好!佐賀大学教育学部初等教育主免専攻(英語科)の松尾郁美です。私は現在、台湾の新北市にある大学に留学しています。大学名が台北大学なので台北市内にあると思われがちですが、台北駅から地下鉄とバスを乗り継いで約1時間の場所に位置しています。教育学部から留学に踏み切った学生はまだ少ないので、情報源になれればと思い、今回この場をお借りして、“台北大学について”と“教育学部の学生として”を中心として書かせていただきたいと思います。

〈留学に至るまで〉私が留学に興味を持ったきっかけは、小学生の時に韓国の小学生と交流したことで、国際交流ってなんて楽しいんだ!私も外国に住んでみたい!と感じたことです。その頃から留学に行きたいという思いはあったものの、それは大好きな韓国に住んでみたいという単純な思いでした。しかし、大学3年生になり、教育実習を目の前に控え、頭の中が実習と将来の進路のことでいっぱいになったとき、結局私はずっと夢見てきた韓国での生活ではなく、自分の将来のためになることを経験しようと考え、台湾での生活を選択しました。

〈台北大学について〉台北大学は、他にも学部はありますが、法律学・商学・社会学・人文学に重きが置かれている大学で、いわゆる文系に強い大学と言われています。(ちなみに、教育学部はありません。)現在の校名「台北大学」として設置されたのが、2000年で、わりと新しく設置された大学です。台北大学は台北市内から少し距離があるからかわかりませんが、中国、香港以外の国からの留学生が少ない印象があります。日本人は私を含めても10人未満です。この大学では、出身地や学部の繋がりが強く、各出身地や学部ごとに組織があり、留学生の組織もあるのですが、そこに所属できるのは正規の留学生なので、国際交流をしたいと思えば自分で相手を探し回るしかありません。しかしメリットとしては、留学生と交流したいけど機会がないという台湾人学生が多いので、出会うことができれば喜んで受け入れてくれるし、遊びにも誘ってくれます。授業で「不好意思(あの、すみません)」を習ったのですが、誰にでもExcuse me?と話しかけて外国人アピールをしながら、私は楽しく生きています。


図書館はフクロウがモチーフらしいです

〈授業について〉 基本的に2単位の授業が多く、50分×2コマ×16回です。さらに中間テストと期末テストがあります。私は、今学期に履修している授業が6つと聴講している授業が1つあります。英語の授業を2つ、中国語の授業を2つ、体育を2つ履修しています。英語の授業は、英語で文化・観光について学ぶものとメディアについて学ぶものを履修しており、毎時間簡単なスピーチやグループワーク、ディスカッションなどが課せられます。文化・観光の授業では、フィールドトリップもあります。先生は実際にアメリカやイギリスなどでそれぞれの業界で経験を積まれた先生方なので、現場の話を聞いたり、現地の生活について聞いたりすることができます。中国語は初級クラスと中国語で台湾の観光について学ぶ授業を履修しています。初級クラスは、日常生活で使用する中国語を学びます。クラスメートは、東南アジアやヨーロッパからの留学生が多いです。日本人は私だけです。説明は英語で行われます。もう1つの授業では、クラスメートは日本、韓国、インドネシアからの留学生で、中国語で説明されます。私の場合、中国語はほぼ0からのスタートで、最初は「先生何言ってるの?全く聞き取れないんだけど」状態でしたが、荒波に揉まれ、3か月近く経った今では先生がおっしゃっていることはなんとなく理解でき、会話が少し成り立つようになりました。体育はバドミントンとヨガを履修しているのですが、中国語と英語の練習に行っているような感覚です。私が聴講している授業は、英語の絵本が子供に与える教育的効果についての授業です。これはシラバスには英語で開講されると表記されていますが、テストが中国語での筆記試験だと言われ聴講するようにしました。
中国語の授業にてみんなでお絵かき(平均年齢21歳)

〈ここでの生活について〉まず、学校生活についてです。先ほども述べたように、台北大学には日本人学生が少ないため、中国語以外の授業では、私と同じクラスに日本人はいません。わからないことも全て英語か中国語で解決するので、私にとっては良い環境だと感じています。毎日授業の後はルームメートやクラスメートと夕食を食べに行きます。大学の周辺には飲食店が多くあります。学内にも2つのフードコートがあります。量り売りのところでは、私の場合は70NTDぐらいで済むので、よく利用します。次に、寮生活についてです。寮は基本的に41部屋です。留学生も台湾人学生も相部屋になるので中国語の学習には最適です。交換留学生の場合は、日本人なら正規の日本人学生1人が相部屋になるようです。私のルームメートは私を除いて、日本人が1人と台湾人が2人います。共用のキッチンもありますが、私は滅多に利用しません。外食しても安いので毎日外食です。ただ、日本にいるときと同じ感覚で食べていると1か月で驚くほど...体重が...。休日は、基本的に誰かと台北市内に遊びに行くことが多いです。佐賀大学に留学に来ていた他の大学の台湾人も遊びに誘ってくれるのでありがたく思っています。ただ、たまに平日だけでは課題や予習、復習が終わらないこともあり、1日中寮に籠ることもあります。

台湾のいろんな大学から集まった留学生たち

留学達と平溪ランタンフェスティバルへ


〈最後に〉私はここに来てまだ3か月ですが、留学に踏み切ってよかったと思っています。思い描いていた留学と少し違うなと思うところも少々ありますが、それは悪い面だけでなくいい面もたくさんあります。3年生になるまで私は韓国に留学するか否かで迷っていました。とりあえず韓国語のスコアをクリアし、英語の勉強はそれなりに程度しかしていなかたので、突然行き先を変更し、英語の勉強に苦労しました。3年前期は授業に加え、実習の事前指導やフィールド演習などで多忙になり、英語の試験も事前指導などと日程が被っていたりして受けられないときもありました。留学に少しでも興味があるならば、いろんな国、大学の情報収集し、早めにテストを受け始めることをお勧めします。また、教育学部の人たちから留学の時期について相談をうけることがあります。私は3年後期が終わってから来たのですが、そのメリットは実習中に同級生がそばにいてくれることが大きな励みになることや専門科目はだいたい3年後期までに履修するので、単位互換のことをあまり考えなくて良いことです。デメリットは、留学中に寂しくなっても友達は就活中で忙しいので構ってくれません。さらに、実習から教採まで2年近く期間があるので正直不安を感じています。もう1つ相談を受けることは、併免についてですが、1年の最初から履修できる授業をすべて詰めていけば、4校種全ての免許が取得できます。私も留学に踏み切るまではすごく悩んでいましたが、実際に来てみるとなぜ迷っていたんだろうかという気持ちになりました。短期留学とは違った経験ができるので、ぜひ大きな一歩を踏み出してみてください!まずは佐賀大学で国際交流に参加してみるといいと思います!私は残りの生活を楽しみながら、成長した姿で帰国できるように精いっぱい頑張りたいと思います!再見!

總統府音樂會にて台湾人の政治に対する関心を身に染みて感じた日  

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