リトアニア ヴィタウタスマグヌス大学




興梠 拳史朗(理工学専攻)


最初に

 

ここリトアニアに留学し始めてはや5か月が経ちました。今思えばそれは長そうで計り知れなく短い時間の中で、自分の生涯で決して忘れることがないような貴重とも言える事をを多々経験してきたと思います。其の全てをこの文章を読む方々に共有したい気持ちは山々ですがここではその一部や、自分がなぜ留学しようと思ったのかなど大まかな内容を話していこうと思います。

 

きっかけ

まず、初めに、自分は理工学専攻で特に自分の学科内で留学する学生は稀であり、英語に触れる機会も自分で何か始めなければほぼゼロに等しいような環境にいました。ですが、自分の大学内ではたまに外国人の学生を見かけることもあり、その学生たちが国籍の違う中英語で自分の思うままに意見を共有しあっている姿を見るたびに自分も日本という限られた枠の中でだけ生きるのではなくその束縛を解いてより広大な世界に入っていきたい、つまりどんな人々とでもコミュニケーションを取れるようになりたいと思うことが大学生活の中で募っていっていました。そう思うことがある中、私の親友の一人が大学3年の春にSUSP(Saga university summer program)という活動に参加してみないかと尋ねてきました。その内容は短期で自分の大学に来る留学生11人に対し日本人11人を集め、異文化交流をはじめお互いに英語だけで意思疎通し合いながら佐賀について知ってもらうというものでした。そのプログラムに参加する前、自分はほとんど英語に触れることがなく、スピーキングなど言うまでもなく未経験といった状態でした。そのため、その活動に参加する前は参加するかどうか自分の中ですごい躊躇いがありました。しかしながら自分その親友もそういった経験がほとんどなく二人で結局一歩踏み出していかないと何も始まらないよねと言い合いながら参加する決意をしました。結局、初めは途轍もないほど緊張しながらのスタートでしたが自分の足りない英語力を駆使しながら3週間を留学生と過ごすことができ、今では参加してよかったと心から思えるほど良い経験だったと思っています。その活動をきっかけに、自分は本気で留学してみたいと思い始め最終的に留学する決意をしました。それまでは留学というものは英語がすでに達者で経験豊富な学生がするものであると思い込んでいたのですが、日本の学生で留学している方々に意見を聞くと、だれでも初めは英語ができるわけないし、留学はその経験を積むためにするものだと聞いてよりモチベーションも上がり、それらが自分の留学への糧になったと思います。

 

 

リトアニアでの生活状況


ここに来る前、自分が一番心配していたことは生活するにおいて店員やサービスマンの方々が英語を話せないのではないかという事です。ですが、ここへ来て早速気づいたのですが、リトアニア人は結構の人が日常レベルの英語を話すことができます。年配の方々は国の背景もありロシア語とリトアニア語のみしか話せない人もいますが、大半は英語を話すことが出来るので驚きました。そういった事実もあり、買い出しに出掛ける時はたいてい英語で店員に訪ねて必要なものを探すことが出来ます。そんな中、一つ問題があって、ほとんどの商品のパッケージの言語がバルト三国の言語に加え、ロシア語やポーランド語だけしか記載されていないので商品の詳細を知りたいときは今でもリトアニア人の友達に英語で翻訳してもらったりしています。それが買い物をする上で一番苦労するところかなと思いました。自分は大学の寮に住んでいます。自分の寮は共有制で自分の部屋には2人のアゼルバイジャン人の学生が一緒に住んでいます。自分は誰かほかの人と住むことに抵抗はないのですが、中には部屋を他人とシェアしたり、ルームメートと問題を起こしたりする人もいるらしくその学生のための別の寮もあります。私のルームメートはとても親切で今までの間でルームメートと問題が起きたことはないのですがここヨーロッパではベッドバグというベッドの裏や隙間に生息するダニがいることも多く最近では運が悪くその虫が自分たちの部屋に発生してすべての服を高温洗濯したり殺虫剤をふりまいたりと大変でした。

 




留学している間にやっている活動、授業。

 

ここリトアニアに来て早々、大学内での留学生に対するオリエンテーションなる活動が多々あり、予想以上に授業が始まる前から留学生と触れ合う機会があり最初の1週間でたくさんの学生と友達になりました。その時には事前に少しだけ学んだ英語フレーズなどを使いながらかろうじて会話をつなぐことが出来るような感じでした。学期が始まる前にはリトアニア語の基礎を学ぶ課外授業も行われました。学期のはじめ、では日本の大学と同じように大学内でのサイトで自分の取りたい授業を登録し最初の週で受けたい授業を体験して、取りたい授業を変更したりといった感じでした。こっちの大学では教授の都合で急に授業が休みになったり内容が変わったりすることが多く、初めの授業すら休みとなることがあり、授業を決めるときは少々苦労しました。それ以外ではこれといった問題はなく、唯一上げるとすればやはり全て英語での授業なので自分の全く英語慣れしていなかった耳には初めは教授の言っていることが英語ではなくただのサウンドのように聞こえていてちんぷんかんぷんなことが多々ありました。それでも結局はしっかりと理解しないといけないので授業のスライドで出てきた知らない英単語などはすべてメモするか写真を撮り、授業後に意味を調べたり復讐を重ねたりしていました(いまでももちろんしています。ほんとに教授が言っていることがわからない時はスマホのボイスレコーダーを使って録音して復讐することもありました。そういうことを繰り返しているうちにだいぶ耳慣れしてきて今では英語を聞き取ることをすごく楽に熟すことが出来ています。それもあってやっぱりすべては実践、経験の積み重ねだなぁとつくづく実感します。授業のテストに関しては一般的に中間テスト一つに学期末に最終テストという感じです。授業も最初はすごく大変な時もありましたが今では慣れてきました。自分はもちろん授業だけでなく大学内で行われる様々な活動に参加しています。この大学(VDU)にはアジア専攻というオプションがあり多くの学生が日本は言うまでもなくアジアについて学んでいます。その為日本文化やアジア文化に対する活動も多々開催されるので僕は助人となって自分の文化について紹介したり神輿を担いだりなど、日本の伝統の遊びについて教えることもありました。でも一番印象に残っているのは日本人代表として国会会議場のような形の部屋で浴衣を着てリトアニア語でのショートスピーチ挨拶をしたことです。その時は自分の前にはリトアニア、日本、韓国、中国の大使館の方が座っており緊張のあまり汗が止まりませんでした。しかし本当に良い経験だったと思います。そういった学校内での活動でなく自分はこうみてもワイワイ遊ぶことが大好きなので休みや時間があるときには学生の皆でパーティーを開いたりDzem pubという週一回開かれるカラオケパブでみんなの中で歌を熱唱したりしています。こういった経験も結局は多くの多国籍の友達や知らない人たちの間でのコミュニケーションを取り合える素晴らしい機会だと思うのでどんな時も一人で何かするのではなくせっかくここにいるのでいろんな人々と話をして自分の英語力を磨いたり、それだけでなくほかの国々の人がどのような価値観を持っているのかなど知ることが出来ています。そういうこともあって自分がここに留学に来る前と後では一人の人間、大人として大いに成長しているなと実感します。



まとめに


ここまで書いたことはほんとに自分がここリトアニアで経験したことの一掴みほどでしかないのですが、本当に留学してみないと決して体験できないようなことを日々たくさん経験しています。こんな自分が言って気持ちが皆さんに伝わるかはわかりませんが、もし今までの人生もしくは最近でも留学してみたいとか面白そうだなと思ったことがあるなら思い切ってやってみてください。僕が自信をもって言える事は留学において後悔という文字はひとカケラもないと思います。いくら留学ってお金がかかりそうだとか就職が心配とかいう悩みの種が多々あるかもしれませんが自分で色々と調べたり先生方や留学している人たちに話を聞けば解決策も豊富にあると思います。終わりに、この自分の記事読んで下さることが皆さんの留学の動機につながればと願っています。長々しい文章を読んで下さりありがとうございました。

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