フィンランド 


フィンランド・ヘルシンキ The Finnish Nature League/ Luonto- Liitto (NGO)

 

Moi (こんにちは!)

 

佐賀大学教育学部学校教育課程4年の豊田野乃花です。

 

私は、トビタテ!留学JAPAN11期(地域人材コース)として201911月からフィンランドの環境保全団体でボランティアをしています。留学期間は半年。ヘルシンキに滞在して約1か月と1週間が経ちました。気候・文化・言語の違いに戸惑うこともありますが、今しかできないことを経験し、自分の視野が広がっていることを実感しています。

 

今回は、留学の目的ときっかけ、留学をするにおいて悩んだこと、留学準備で大変だったこと、留学を選択して良かったこと、フィンランドと日本の違いについて書いていきたいと思います。留学に興味がある人、交換留学ではない留学をしてみたい人、留学を悩んでいる人にとって少しでも役に立ったらいいなと思います。

 

 

[留学の目的ときっかけ]

 

私の留学目的は教育先進国フィンランドで「環境教育」を学ぶことです。もともと自然環境や気候変動に興味があり、自分の専門である教育を通して環境保全に貢献できることは無いかと考えていました。また、社会に目を向けると深刻な気候変動であるにもかかわらず、日本人の環境に対する意識が他国に比べて低いことに危機感を感じていました。そこで「環境教育」に注目し、「教育」面から気候変動を止めたいと考え、「自然環境」と「教育」で先進的な取り組みを行っているフィンランドでの留学を決意しました。

 

[留学をするにおいて悩んだこと]

 

正直なところ、大学で留学するつもりはありませんでした。なぜかというと留学はしたいが、時間の都合がつかなかったこと、また卒業が遅れることによる就職への影響を不安に思っていたからです。特に就職に関しては、周囲の人に「新卒の方が採用されやすい」「教員採用試験受けるならこの時期」「海外なんていつでも行ける」と留学に対していい顔はされませんでした。自分の気持ちがすごく揺らいだことを覚えています。そこで異年齢・職業が異なる人・親・友達と納得するまで相談しました。悩みに悩んだ結果、自分の学びたいことを実現させたい気持ちの方が強いことに気付き4年の後期から留学をスタートしました。

 

[留学準備で大変だったこと]

 

①トビタテ!留学JAPANの選考

留学をする!と決めたのは良かったのですが、私にとって一番の問題は「お金」でした。そこで、トビタテ!留学JAPANという制度で留学計画を進めることにしました。トビタテ!留学JAPANhttps://tobitate.mext.go.jp/)とは文科省と民間企業が連携して学生の留学を支援するプロジェクトで、返済不要の奨学金に加え、留学準備金まで支援してもらえるという学生への支援が手厚いプロジェクトです。(トビタテ!留学JAPANは金銭的な支援だけでなく、留学前後の研修や全国の熱い気持ちを持った学生とつながることも出来ます。)このトビタテ!留学JAPANの選考に通ることが私にとって必須でした。トビタテには「全国版」と「地域人材コース」があり、第10期は全国版の多様性人材コースに応募しました。二次選考までは進むことが出来たのですが、残念ながら採用されませんでした。第11期は佐賀県地域人材コースで応募し2回目の応募で採用され、念願のフィンランド留学が進み始めました。

 

②留学先を探す

交換留学ではなくフィンランドで実地活動をしている団体で学びたかったので、環境保全に取り組んでいる団体を留学生の助けを借りながら探しました。ほとんどの団体はインターンやボランティアを募集していなかったり、連絡が取れても相手からの返信がすごく遅かったりと、留学計画がなかなか進まず大変でした。

 

③在留許可を待つ

シェンゲン協定に含まれているフィンランドでは3か月以上の滞在になると「在留許可」が必要になります。交換留学で留学をする場合は「学生在留許可」が、それ以外で滞在する場合はそれぞれの目的に合った在留許可が必要になります。私の場合はじめはワーキングの枠で申請しました。それでは通る可能性が低いと言われたので、再度ボランティア枠で申請しました。しかし、これも許可が下りず最終的にその他の枠で申請し在留許可を受け取ることが出来ました。

 

[留学を選択して良かった事]

 

ここまで、留学に対して悩んできたことや大変だったことを書いてきて、読んでいる皆さんを不安にしてしまったかもしれません。しかし、これだけ言わせてください。「留学を選択してマイナスになることは無い」ということです。大丈夫です。ほんの少しでも留学や海外経験を考えている方は、ぜひその世界に飛び込んでみてください。私が留学をするという選択をして良かったと思ったことは「見える世界が広がった」ことです。文化の違いを身近に感じることはもちろんなのですが、日本以外の土地で生活することによって見えてくるものがあります。生活を通して学ぶという点は留学するからこそできると思っています。

 

[フィンランドでの生活]

フィンランドはとにかく寒いです。気温は05度程度で、凍えそうな毎日です。

 

①平日の過ごし方

平日は、留学受け入れ先であるNGOで子供向けの環境イベントの企画を練ったり、自分で企画しているイベントの準備を進めたりしています。また、現在フィンランド語の語学学校を申込んでいるので、来月から週2回通う予定です。

(オオカミ保護イベントの企画)


②休日の過ごし方
Facebookで環境に関するイベントを探して参加するか、市内にある図書館で勉強をしたり、ゆっくり過ごしたりしています。この図書館が私の一押しでぜひ皆さんに一度来て欲しい場所です。まるで小さな町のような印象のこの図書館、施設の中には勉強するスペース、カフェ、3Dプリンター、ミシン、映像編集用のパソコンが置いてあり、誰でも利用することが出来ます。こんな場所が佐賀にもあったらなぁと羨ましく思います。

(5Gの導入に反対する人たち。街中で5Gが環境や人体に与える影響を訴えていた。)

Oodiという市内の図書館。リラックスして過ごせる場所)



③住まい
1週間ゲストハウスに泊まり、現地でFacebookを使って住居を探しました。友達に「住む前に実際に見に行って、家賃に何が含まれているか、鍵がきちんと使えるかなど確認した方が良い。」と教えてもらっていたので、部屋を提供している人とコンタクトを取り、見に行ってから決めました。実際にホストの方と会うことで場所や家族の雰囲気、部屋の様子を知ることが出来るので、確認を行ってから部屋を決めて良かったです。
 
[日本とフィンランドの違い]
 
一番に感じたことは「フィンランド人は心にゆとりがある」ということでした。電車の中や図書館で子どもが泣いていても怒る人は誰もおらず、暖かく見守っていました。ある日、図書館でフィンランド語の翻訳に頭を悩ませていると、隣の女性が「翻訳しているの?手伝おうか?」と声を掛けてくれました。その女性は勉強している手を止め、丁寧に説明をしてくれました。驚きと共に人々の心のゆとりと暖かさを感じ「この心のゆとりはどうやったら生まれるのだろう。」と不思議な気持ちになりました。フィンランドは人が温かく、優しさにあふれた国だと実感しました。

126日はフィンランドの独立記念日)


[最後に]
 
不安なことも多いと思いますが、挑戦してみたいことに「留学」という文字があれば、ぜひ飛び込んでみてください。力になれる事でしたら、なんでも相談に乗ります。
 
最後にはなりますが、留学をするにあたってたくさんのご協力を頂いた、学部の先生、国際課の方々、トビタテ!留学JAPANの皆様本当にありがとうございました。
















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