インドネシア・ハサヌディン大学

みなさんこんにちは。インドネシアはスラウェシ島マカッサル市、ハサヌディン大学に2022年9月から留学しています、農学研究科国際・地域マネジメントコース2年の金澤優菜です。

みなさんは、インドネシアを訪れたことはありますか?リゾート地として有名なバリ島や首都であるジャカルタなどが日本人にとって親しみのある地域ではないでしょうか。私の滞在しているマカッサルという地域は、東側のKの形をしたスラウェシという島にある都市です。過去には香辛料を中心とした貿易を行う港町として栄えていたそうですが、現在では漁業が盛んに行われています。今回は滞在して1ヶ月が経過した私のマカッサルでの留学生活についてご紹介します。

 まずは日々の学校生活についてです。私は語学取得などではなく、修論研究の調査をメインとして留学に来ました。なので授業などは特に履修していませんが、平日は学科のレクチャラー室に通い、多くの学生や先生方、年の近いレクチャラーの方々とおしゃべりしたりお菓子を食べたりしながら作業をしています。私の研究では、ここマカッサル周辺地域の観光開発が地域住民に対してどのような経済的・社会的効果をもたらしているかを調査しています。そのため、ここ1ヶ月間で適した調査地を探すために、こちらの学生ともに車やバイクをでいくつかの調査候補地を訪ねました。その中でも、観光としてみなさんにおすすめしたいのが Rammang-Rammang(ラマンラマン)という地域です。マカッサル市内から車で1時間ほどのMaros地区に位置しており、ここは中国に続き世界で最大のカルストが一面に広がっています。私もそのカルストの風景に不思議と圧倒され、インドネシアの自然資源の豊かさを感じました。カルストだけでなく、この地域ではボートで川を下るアトラクションや洞窟探検、カフェなどの観光体験や施設も展開されており、どんどん観光地化が進んでいるので、農村地域ではあるのですが、みなさんでも訪れやすいのではないでしょうか。

写真1 Rammang-Rammangの風景

 

私自身、海外で調査をすること自体が初めてで、その国のルールや文化、指導してくださる先生方や学生、地域住民の方々とのコミュニケーションなど様々な壁が立ちはだかっており、なかなかうまく進まない状況ではありますが、周りの方々にたくさんサポートしていただきながら、毎日奮闘しています。

といいつつも、なんとかなるだろうと前向きに思わせてくれるのが、これまたインドネシアの魅力の一つではないだろうかと思っています。私の周りの友達を見る限り、インドネシアの方々はかなり陽気で、とてもよく喋ります。なので作業をしている部屋はずっと賑やかで、冗談や歌声が飛び交っており、自然とこちらのテンションも上がってしまいます。また、インドネシアでも日本のアニメはかなり人気があり、日本に興味関心のある人や日本語を勉強している学人が多いようです。そのため、日本語を教えてと言われることも日常茶飯事で、日本語学科の学生イベントでは、他の日本人留学生と共にオノマトペ講座を開いたりし、学部外のコミュニティーでも現地の学生との交流を楽しんでいます。

次に、現地での生活についてご紹介します。金曜日の夜は留学生限定のインドネシア語講座があり、他の留学生と共にインドネシア語を習っています。インドネシアは人口の約9割がイスラム教徒であるため、留学生も中東のイスラム国家から来ている人たちがかなり多く、アラビア語もよく耳にします。そんな中インドネシアではイスラム教の教えを軸とした日常生活が展開されています。イスラム教徒は1日に5回決まった時間にお祈りをしなければなりません。そのため、その時間になるとアザーンという礼拝を知らせる放送が各地で鳴り響いています。1日の初めのお祈りは朝の5時からなので、最初の頃は爆音のアザーンと共に5時に起床していました。また、大学の各学部の施設内や街中などには多くのモスクという礼拝を行う寺院やムッサラーという礼拝する場所が見られます。またカフェにも礼拝する場所が確保されていました。

写真2 カフェ内のムサッラー(祈りの場)を案内する看板

 

 食事面では豚肉やアルコールが禁止されているため、近くのコンビニやマート・飲食店などではお酒あるいは豚肉を使った料理を販売していません。もう少し街の方にある高級マートなどでは、販売されていましたが、政府によって流通が管理されているため、かなり割高です。このように宗教を基盤とした生活がいろんな場面で発見できるのも、新鮮で面白く感じています。

 もちろん不便を感じることも多々あります。インドネシアは季節が乾季と雨季の2種類で、9月から3月ごろまでは雨季に該当します。日本の梅雨は一日中シトシト降っているイメージですが、こちらの雨季は午前中は気温30度前後の晴天で、午後3時ごろから雨雲が広がり雷とともにいきなりザーザー数時間単位で降るパターンが多いです。そのためその時間帯は自由に行動できず、寒暖差もあるので体調管理することが難しいです。また、この大学は学内がかなり広く池や木々に囲まれているため、虫も多く毎日何かしらと戦っています。週末は外出することが多いですが、バスや電車などの公共交通機関が全くと言っていいほどありません。それに加えて歩道もほぼなく、道にも溝や段差が多いので自転車や徒歩で移動する人はほぼいません。そのため現地の人は一家に一台はバイクあるいは車が必須だそうです。私はいつもGrabGojekといったアプリを使いバイクや車を呼んで移動しています。しかし朝や夕方には渋滞がかなりひどいので、帰るタイミングを見計らうのが大変です。経済成長し続けているインドネシアですが、暮らしやすさはまだまだ発展の余地があるようです。

最後に皆さんがマカッサルに訪れることがある際に、ぜひ食べてみて欲しい現地の食べ物を紹介します。その名もCoto Makassar(チョト マカッサル)です。このCotoという食べ物は、ここマカッサルのご当地グルメです。牛肉がゴロゴロ入ったスープで、長ネギやオニオンフレークをかけて、ちまき(白ごはん)と一緒に食べます。現在4回ほど違うお店のCoto食べましたが、どのお店も色や味が異なりかなりバリエーションがあるようです。牛肉だけでなくレバーなどのいろんな内臓が入っているバージョンも美味しいです。大体一食200円ほどで食べることができます。そして“Saya suka Coto (インドネシア語で私はチョトが好きです)と現地の人に言うと盛り上がるので、自己紹介の際には必ず言うようにしています。特に辛くもなく、スープなので日本人でも食べやすいかと思います。帰国するまでに、できるだけ多くのcotoを食べて、自分のワンピックを見つけることが目標です。



写真35 これまでに食べた Coto Makassar

感染症拡大で留学準備も厳しい時がありましたが、国際交流推進センターの先生方や藤村先生、研究室の留学生のみなさんなどに多くのサポートをしていただき、ここに来ることが出来ました。また現地では、同じように日常生活から研究までご指導くださる先生方や遊んだり研究を手伝ってくれる友達が多くいます。それら全ての方々にも、感謝の気持ちを忘れず、現地の人のためになる意味のある研究を制作できるよう、残りの約2ヶ月精進していこうと思います。最後まで見ていただきありがとうございました。


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