台湾 国立政治大学

経済学部経営学科3年の鷲崎です。20229月から20236月まで台湾の国立政治大学に留学しています。台湾での留学生活を紹介します。まず、台湾ではこれを書いている3月初旬の時点では公共交通機関に乗るときのみマスク着用義務があります。屋外ではマスク着用義務はありませんが、それでも街にいる現地の人はほとんどマスクを着けています。

 

【留学のきっかけ】

私は、入学当初から交換留学をするために準備をしていた、というわけではありません。2年次の冬にライブキャンパスからの留学希望者募集のメールをたまたま見て、そこから準備を始めました。そのメールを見たのが応募締切の数日前だったので、その日のうちに志望理由書等の必要書類を書き、ゼミの担当の先生にも協力してもらい、なんとか締切に間に合わせました。留学先を台湾にしたのは、私が所属する学部やゼミでは株式市場や企業を扱うことが多く、その過程でTSMCをはじめとした台湾の企業が日本の企業以上に国際的な競争力を有していることを知り、台湾でのビジネス活動に興味を持ったからです。そしてビジネスの分野に関しては政治大学の商学部は台湾での最高学府だったので、政治大学への留学を決めました。留学するために必要な語学条件は2年次の前期に受けたTOEICで満たしていたので、締切直前から準備を始めて間に合いましたが、そうでない人は数か月前から語学の勉強が必要だと思います。

事前準備の詳細は同じく政治大学に留学していた中村さんの記事【里里の台湾留学日記in國立政治大學】と重複するのでそちらを読んで下さい。

【コミュニケーションについて】

私は先述した通り、前もって留学の準備をしていたわけではないので中国語は全く話せない状態で台湾に来ました。そのため台湾に来てから現地の学生や留学生とは英語でコミュニケーションをとっています。大学周辺は留学生が多いこともあり、飲食店等でも英語が使えることがありますが、観光地ではない地域や地方に行くと英語が通じないことがほとんどです。そういう場合は中国語を話せる友人に助けてもらってばかりです。中国語が話せなくても生活はできますが、中国語が話せたらもっと台湾を満喫できるのになぁ、と思うことが多いです。英語に関しても2年次の前期にTOEICの勉強を1か月ほどして以降は特別な勉強をしていなかったので、当初は欧米から来た留学生が話す英語のスピードについていけませんでした。そのため授業内のグループワークやディスカッションで苦労しましたが、しっかりと事前準備をして授業に参加することで対応することができました。留学開始から半年がたった今では授業の合間の時間での留学生との雑談や、寮での日常会話ならある程度スムーズにできるようになりました。

【生活】

授業がある日は10時半ごろに起きます。今期私が履修している授業は全て午後からなので、起きる時間は遅いです。授業に行く前に、朝食と昼食を兼ねて寮にある食堂で食事をとります。1400円程度です。事前の資料には料理禁止と書いてあったのですが、寮の1階にキッチンがあるので、やろうと思えば自炊もできます。体を鍛えている留学生や台湾人の学生が数人自炊をしていますが、私を含めほとんどの寮生は毎食、外食や中食をしています。授業に関しては、履修登録の抽選で外れてしまったので、今期は希望していた専門科目の授業は履修できませんでした。そのため、週に4日中国語の語学の授業を受けています。クラスは私を含めて6人しかいないので、授業内で発言する機会が多いです。わからないことや発音が不確かなときに、すぐに先生に聞けるので初心者の私にとっては良い環境と言えます。授業後は他の授業を受けていた友人と合流して、少し雑談をしてから図書館に移動して勉強をします。語学の授業は宿題がほぼ毎回出ます。私はサボり癖があるので授業後すぐに友人と一緒に取り組み終わらせるようにしています。その際にも友人にわからないところを教えてもらったり、中国語の発音の矯正をしてもらったりします。また、週に数回大学内のトレーニングジムに行って1時間ほど体を動かしています。利用料は年間5000円程度です。性別を問わず体を鍛えている人が多く大学のジムはいつも多くの人がいます。特に16時からは授業終わりにトレーニングに来る人が多いので混んでいます。

ジムの様子

夕食は大学の周辺の飲食店で食べることが多いです。前期は夕食も寮の食堂で食べていたのですが、食べ過ぎて飽きてしまいました。夕食後は寮に帰って、好きなことをして過ごします。自分の部屋でゆっくり過ごしたり、友人とロビーでゲームをしたり、卓球をしたり、寮の周辺を散歩したり日によって過ごし方は変わります。就寝時間は2時以降になることが多いです。そして、授業がない日は遊びに行くことがほとんどです。台湾に来て半年ですが、週末や長期休みを利用して主だった観光地はほとんど行きました。今年は年始の台北101での年越し花火で新年を迎えて、1月中旬には台東方面へ旅行に行き、1月下旬には台南・高雄に旅行に行きました。そして先月は淡水に桜を見に行き、平渓のランタンフェスティバルや台北で行われたライトアップイベントにも行きました。今月は台中にWBCの試合を見に行く予定です。

ランタンフェスティバル

ライトアップイベントでの佐賀県の展示

【サッカーワールドカップ】

昨年末に行われたカタールワールドカップは台湾でも当然、注目度が高く、連日寮のテレビで留学生や現地の学生とともに観戦をしていました。中でも、日本や韓国などのアジアの国の試合は試合を見るために食堂に学生がざっと100人近く集まっていました。日本代表がドイツに逆転したときの日本人や台湾人などのアジア人の異常なほどの盛り上がりと、落ち込んで嘆いていたドイツ人とのコントラストが、留学生が多い寮ならではの光景で思い出深いです。世界各地から来た留学生がそれぞれの国の代表や、出身国の周辺の国の代表を応援して一緒に試合を見るのはとてもいい経験で、留学の醍醐味の1つだと思いました。個人的には今回出場できなかったイタリア出身の留学生が、イタリア人の審判を見て言った、「彼らが私の国、イタリアの代表だよ」という、どこか哀愁漂う冗談が1番印象に残っています。

 

【最後に】

突発的に思い立って留学を決意して、現在台湾にいますが後悔はしていませんし、来てよかったと思っています。留学は事前準備が大変だとか、4年で卒業できるかの心配とか、就職活動をスムーズに行えないかもしれない、という不安があるかもしれませんが、興味があるなら比較的自由な学生の今のうちに行く方が良いと思います。

 


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