中国 浙江科技学院(芸術地域デザイン学部 3年 江島 羽菜)

 ツナガル留学日記

 

こんにちは!私は今、中国の浙江科技学院で約1年間の留学をしている芸術地域デザイン学部の江島羽菜です。この日記をきっかけに皆さんが中国や中国留学に対する興味を持っていただけると嬉しいです。

 

経緯

私が中国語の学習と出会ったのは2年生の頃で「中国語の言語と文化Ⅰ・Ⅱ」を履修したことをきっかけに中国の文化と中国語に興味を持つようになりました。もともと英語も知識だけあって全く使えず苦手意識があり、高校生の頃も理系選択だったため言語の学習とは縁がなかったのですが、佐賀大学で単位取得のためになんとなく履修した授業がこうして自分の関心と挑戦に繋がったことが今でも不思議で、とてもありがたくも感じます。

そうして2年生の12月半ばに「中国に留学に行きたい」と大学の留学生交流室を訪れ、準備も不十分なまま交換留学の学内選考面接の時期を迎えました。

 

準備

経緯でお伝えした通り、突然留学に興味を持った私は交換留学に関する説明会や成果発表会に一度も参加したことがありませんでした。まだわからないことばかりの中、一ヶ月後の1月には夏出発の交換留学の募集が始まりました。

先に結論からお話しすると事前に面接の準備をしっかりとするべきです。なぜ留学をするのか、なぜその場所を選んだのか。私は中国語の実力不足と留学の目的を明確にするのに時間がかかったことで学内選考の面接に苦戦しました。おかげで面接自体も一生忘れられない思い出にはなりましたが、おすすめはできません。私の話は参考にならないと思うのでこの点は省略します。

語学試験に関しては必要条件のHSK2級を1月に受験し無事満点近くは取れましたが、もちろんもっと早く受験をするべきでした。こういった試験の申し込みは締め切りが早く結果が出るまで時間もかかります。無事に校内選考を通ってからは電車に乗っている時間や空いた時間に中国語の会話リスニングや単語の勉強をして過ごしました。本来であればH S K3級、4級などにも挑戦したかったのですが時間が足りず、試験は一度しか受けられませんした。

 

現地での生活

私の留学先の杭州は中国の中でも比較的栄えた都市で、最近ではアジア大会も開催されました。杭州の有名な観光地、西湖の周辺では毎日たくさんの人が写真を撮ったり船に乗ったりしてその景色を楽しんでいます。またそういった観光地はもちろん、中心部から離れた場所でも道路がすごく綺麗です。というのも毎日落ち葉やゴミを集める清掃員がいて、街中にゴミ箱もたくさん設置してあります。皆さんが中国に対してどんなイメージを持っているかわかりませんが、私の想像よりもずっと清潔感があって歩きたくなる街だなと感じます。ちなみにゴミは日本のような指定の袋はなく、近くの共通のゴミ箱に捨てればokです。



杭州の有名な観光地、西湖の様子。
杭州の有名な観光地、西湖の様子。


 まちの様子と学校の象徴的な建物(左下)


中国での生活はスマホなしでは生きていけません。交通機関に乗るとき、買い物をするとき、学食を食べるとき、寮の家賃すらもですが、決済全てが基本スマートフォン決済で、アリペイ(支付宝)またはWeChatペイのどちらかのアプリです。老若男女問わず自分のスマートフォンでQRコードを読み取って決済しています。もちろん現金も多くのお店で使えますが、私は現金を使用した際おつりをもらって確認するのも不便かつ面倒であまり持ち歩きません。それに友達と一緒にご飯を食べたときに、一人が先に決済をして後からきっちり一円単位で割り勘して送金できるのもスマートフォン決済の長けている点です。

またオンラインショッピングもとても普及していて、購入から三日あればどんなものも大体は受け取れます。受け取りは自宅や寮付近の受取所で番号を照らし合わせて荷物を探し、バーコードをスキャンすれば完了です。品質は当たり外れがありますがかなり安く購入できるため、たくさん利用しています。

 

近距離の移動は地下鉄(6元程度/120円前後)やバス(3元程度/60円前後)がメインです。地下鉄や電車など交通機関を利用する先には必ず荷物の検査があります。空港でしか見たことのないような機械が各駅数カ所にあって新鮮でしたし、はじめは少し怖かったです。駅や電車の中にも安検員という駅員のような人がたくさんいます。車内や駅構内は日本よりも安全だと言えるかもしれません。余談ですが中国の方は優先席にも積極的に座ります。

校内にはシェア電動バイク・自転車がたくさんあります。これらも有料ですが日本円でたったの何十円にしかならないので、荷物が多いときや疲れたときによく利用しています。

 

ごはんは学校の食堂や学校付近の飲食店で15/300円出せば十分に満足できます。観光地や写真映えするおしゃれなカフェだと一人あたり100/2000円ほどで日本とほとんど変わりません。中国の女の子ももちろんかわいいカフェが大好きで日本風や韓国風のカフェもとても人気があります。店内での写真撮影もかなり本気で、スマホではなく一眼カメラで撮る人もたくさんいます。



中国のご飯やおやつ。
中国のご飯やおやつ。


テーブルの上にあるいろんな食べ物自動的に生成された説明
杭州のかわいいカフェ。


授業では中国語の語学を学んでいます。先生はわかりやすい中国語を使って中国語を教えてくださります。中国語の授業は総合・リスニング・リーディング・コミュニケーションと四科目に分かれており、一週間あたり計45分×20コマ授業を受けています。準備の紹介でも書いた通り佐賀大学の設定しているレベルはH S K2級ですが、クラスの友達の多くはH S K4級を取得していました。授業は中国語で進められるため体感的に最低でも3級レベルはないと難しいかなと思います。佐賀大学での中国語の授業と違うところはやはり本物の中国人の中国語を学べることと発音の指導が細かいところです。出身国ごとに発音のクセを掴んで丁寧に指導してくださります。たった一人しかいない日本人の私のためにも舌の形や位置など細かく指導してくださり、ゆっくり練習できます。

 

また私の留学先の学校には現在日本人が私以外いないそうで、初めは困った時に瞬時に助けを求められる相談相手がおらず授業や生活でかなり苦労しました。留学前に英会話の練習もしておけばよかったです。二ヶ月も経つとある程度耳も慣れて自分の伝えたいことも積極的に伝えられるようになってきて、日本語を学んだことある中国の学生や、学校の近くの日本料理店のお店の方と仲良くなり、決して派手ではありませんがすごく楽しく生活しています。

クラスや寮にはたくさんの留学生がいて、それぞれが異なる価値観や文化を持っています。日本の感覚が通用しない世界に頭を抱えることもありますが、きちんと相手の価値観を受け取った上で自分の考えや気持ちも話すと理解してくれる学生ばかりです。無理に全て合わせる必要もなくて大事なのは相手のことを理解しようという姿勢だと感じています。


沢山祝ってもらい特別な誕生日でした。

 

 いかがでしょうか。202312月現在、中国への入国にはビザの取得が必要だったり、普段使っているアプリの使用が制限されていたり、日本人にとって簡単に入れる国ではないかもしれませんが、しっかり準備をすれば十分に楽しむことができますし、たくさんの刺激や感動が待っています。中国の人は情に厚い方が多いです。興味があればぜひ少し調べてみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました!





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